9.20 みをけずる | 狂い咲きトスバッティング

9.20 みをけずる

19日、夜7時。約束の時間。


時をさかのぼること1週間ぐらい前。

INサイゼリア

俺は論文を書いていた。

ゼミ論文を合宿までに書かなきゃいけなかったので必死に書いていた。

時折、ドリンクバーを取りに行く。

そのとき、一人の女の人と目が合った。

まあっ

べつになにってわけでもないので論文を書き進める。

あーあ、書くのもあきてきたなー

するとさっきの女の人が俺のテーブルの前を通り過ぎる

いや、一瞬立ち止まり、会釈、そしてテーブルに紙をおく。

なに?なんか落としたか俺。

と、みたら「よかったらメールしてください」と言う文字と名前、メールアドレスが書かれている。

おお。

その女の人は颯爽と消えていった。


う~ん

メールすべきか。

これは何かの罠か。

色恋の類の罠の可能性が高い。

みすみすそんなのに引っかかる馬鹿はいない。

こんな甘酸っぱいことあるわけない!

調子に乗るな!自分!

家に帰り、紙を前に正座。

でもさ、ここでシカトすんのは失礼じゃねえっか

男がすたる。

何よりも、退屈だったの。おいら。

毎日ドキドキなんかしないでいきていたの

元彼女とはサヨナラなわけだし。

それに、未知へのチャレンジが卒制のインスピレーションにつながる!

そんな数々の理由を胸に、メールを送ってみた。

するとすぐ帰ってくるメール。

ありがとうございます!急にすいません!

そんな感じのメール、その後、自己紹介見たいなやり取り。


うわー!俺!何やってんの?!高校生が出会い系サイトしてるみたい。

なんかこれ、コレ!なに!?サブくない?

そんなきもちもあったけどいいのだ。

合宿中、この件についてちょっと言ってみたらたいしてネタとして盛り上がらず・・。

で、がっかり


結局、彼女は年下の看護学校の女の子。

そして、彼女はメールで「こんど飲みましょう」といってきた

そんなの断るわけにはいかない。断る理由ないしね

で、それが19日になった。


で、19日7時。お互いの地元の駅でまちあわせとなった

ヨイヨイ


で、

「いまどこですか?」みたいなメール

で、返信する。

「私もなんですが会えませんねっ」

ときた。で、返信。

と、なかなか居場所がわからず会えない感じの状況が20分ぐらい。

というか俺は相手の姿格好を一切記憶にござらない。

だからだれが当人だかわからずおろおろするのみ。

いい加減、どうにかして落ち合わないと、めんどくさくなってくる

すると

メールを送る。

ん・・・。



あれ。



「送信できませんでした あて先を確認してください」


いやいやいやいや

あっぱれ。


俺、いま日本で1番おもしろい

誘われるやら拒絶されるやら

メアドを超速で変更するっていう奥義をいただきやした。

なに?

なにがしたかったん?

罠?

ならちゃんと最後までもてあそんで、残念でした~お前サブいよ!ぷぷぷ

そこまでやってくんないと!

バラエティ的に面白くないし!

この話、人にしても面白くできないよ!

飲みに誘って、消息くらますって!なんにがしたかったの!?


ってか俺!そんなダメか!!!!

拒絶されとるやん!!!


くっそー、わけわかんねー

赤い満月。こんな夜にはぴったりだ。


よおs、彼女とのことを忘れよう。

メール?なにそれ?

よし!忘れた!

おれ、夜8時になるころにはツタヤにいた。

ただ、まっすぐに家に帰りたくはなかった。


家に帰っても、俺のオーラは消えない。

オカン「お帰り!」

いつになくうれしそう。

あ!

おかんのTシャツにでかでかとかかれている

「ヒロシデス」


うわ~


芸人のネタTきてるやん!

サブー!!

しかも「フー!」っていった!

それ違う芸人!


そんなオカンを叱る。

隣で父がいう。

「やっぱブランド物は違うな」

って!あなた!

この馬鹿中学生が京都で買うようなTシャツがブランドなわけないがね!

っておしえてやると・・

「ど根性がえるのプロダクションとかのなんかとかさ・・権利とか」

おい!

おっさん!

「ヒロシ」違いや!!


もう!!!!!!

いや”!!”!!!

みんな嫌い!

何も信じない!!


俺、今日9月20日は誕生日なんです。

22年目になります。

望まれて生まれてきた子です。

だから

やさしくしてください!