漫画女子のサクセスと喪失を描いた映画『ルックバック』 | (株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

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ついこの間始めたばかりだと思っていたこの会社も、干支で言うとひと回りを越えて、15年目に突入してしまった。その間には、コロナ禍や事務所の引っ越しも含めていろいろなこともあったかな。そんなことを思うと、まあ、よくここまで持っているかなというところだろうか。

 漫画を描くのが好きで上手な小学生の女の子が、学年新聞の4コマ漫画を描いて人気を得ていた。自信家でもある彼女は、自分よりも上手に漫画を描く同級生はいないと思っていた。そんな彼女がやがて小学生~中学~高校と成長していく中での出会い。さらには大手出版社へ作品を持ち込んで、評価されてさらに成長していきデビューしていく。そんな漫画女子のサクセスストーリーを描いた🎥『ルックバック』(是枝裕和監督・脚本/原作=藤本タツキ)である。

 大手漫画誌の作品募集で準入賞となり、そこからとんとん拍子でプロデビューしていき、売れっ子作家となっていく。小学生時代から描き続けていたが、ある時不登校の同級生で緻密な絵を描く少女がいることを知る。卒業を機に、その彼女と出会うが、実は彼女が自分のファンだったということを知り意気投合。そこからは、漫画を描くパートナーとして一緒に活動していき、それが出版社からも評価されるのだ。

 こうして成長していく中で、主に背景などを描いていたパートナーの方は美大への進学を希望するようになる。やがて、二人は袂を分かち、彼女自身はプロの漫画家として人気を博していき、売れっ子となって、夢だった自分の漫画のアニメ化の話も進んでいく。いつしか、アシスタントを何人も抱えるようにもなっていくのだ。

 そうしたサクセスストーリーかと思われたら、美大へ進んだパートナーが、一方的に自分の作品を無断使用されたと思い込んで大学に乱入してきた若い男に殺傷されるという事件が起きる。それをニュースで知った彼女はショックを受けて大きな喪失感を味わうことになる。一緒に歩んだ時間を思い出していくのだ。

 そんな彼女のサクセスストーリとメンタルロスを巧みに表現した作品でもあったと言えようか。もっとも、ボクとしてはヒロインの喪失感の中でイメージしていく幻想的なシーンの意味が、最初はちょっとわからなくて戸惑った。それでも、ある部分で納得して理解して、ついていけるようになった。このあたりは、『万引き家族』や『怪物』などでもあった、是枝監督独特のちょっとイメージと違うことが起きながら、最後はしっかりと着地させてくれるという手法でもあるのかなぁとも思った。

 それと、子どもの日常描写において高い評価を受けている是枝監督だが、この作品でもそうだった。ことに前半部分の、2人の小学生時代の描き方は七瀬ふうりと岡田六花という子役が演じていたけれども、とても自然だった。自然さの中で子どもの日常のリアル感と明るさと、希望的な要素も垣間見せてくれていた。そんなところが、観ていても何となく安心させてくれた要素にもなった。

 先のイタリアでのベネチア映画祭にも出品されていて、いくつかの賞を受賞するなどの評価も得ていたという。海外で賞を貰った作品が必ずしも好作品だろう、とかいう考え方は、ボクはないのだけれども、海外での賞が公表されると、普段あまり映画を観ない人まで来ることになって混雑することもある。だから、極力早く観るようにしようと思っていたので、いいタイミングで観られたかなとも思っている。