苦しみながら今大会は、東海地区第五代表となって出場してきた大垣市西濃運輸が、今大会勢いに乗っている小山市エイジェックを交わして、優勝した2014年以来の決勝進出を果たした。
お互いに、もう一つなかなか攻め切れないまま2対2で9回を迎えた。
エイジェックはここまで2試合をタイブレークで制してきている。西濃運輸も2回戦ではJR東日本東北をタイブレークの末に下している。8回までの展開から、またまたタイブレークになってしまうのか…という空気も大いに流れていた。
小山市エイジェック・大垣市西濃運輸
大垣市:西濃運輸 010 100 001 =3
小山市:エイジェック 010 001 000 =2
西濃運輸は9回、1番からの攻撃だったが、簡単にアウトを2つ重ねてしまった。いよいよタイブレークの雰囲気が強くなってきたかなと思っていたのだけれども、3番小中(九産大九州→西南学院大)がしぶとく右前打して出塁。続く野﨑(敬徳→久留米工大)はフルカウントから左中間の深いところへ運んでいった。打球処理にも、若干もたついたところがあったかもしれないが、その隙を突いて一塁走者小中は思い切ってそのまま本塁突入。西濃運輸は土壇場で勝ち越し点を奪った。
エイジェック・谷内隆悟(鳥羽→同志社大)
そして、このリードを今大会抑えの切り札的存在になっているヤマハからの補強選手の水野(静岡→明治大)が5番からの打順で、各打者に粘られながらもしっかりと抑えた。ことに、後ろの2人は、連続三振に切って取った。しっかりと投げ切ったといっていいであろう。
西濃運輸としては、東海地区二次予選でもそうだったけれども、今大会も苦しみながらの戦いが続いていっていた。それでも、そんな試合で何とか勝利をものにして、一つ一つ積み上げてきて、ついに12年ぶりの日本一へ王手というところにまで登りつめてきた。6年連続43回目の出場という歴史もあるチームだ。一昨年はベスト4まで進出したものの、昨年の大会ではタイブレークの末に日本生命に敗れている。その悔しさを背負って今季から主将となった城野達哉(武生商→中部大)がチームをまとめてきた。
大垣市西濃運輸、勝利のエール
今大会、大旋風を巻き起こしたといってもいい存在になったエイジェック。この試合では、リードされても6番秋山(花咲徳栄→白鷗大)のタイムリー打や7番高木(千葉明徳→国際武道大)の犠飛などで追いかけていっていた。必ずしも、破壊力があるという打線ではなかったけれども、上手に野手の間に落としていくなど、打線が執拗に食い下がっていく姿勢が功を奏していた。
結果としては、あと一つ勝ち切れなかったということになってしまったものの、今大会のエイジェックは確実に存在感を示した。と、同時に小山市とともにエイジェックという会社も大いに知らしめていった要素にもなったのではないだろうか。こうしたこともまた、都市対抗野球の使命とともに社会人野球としての大きな役割ではなかったのかと思わせてくれた。
3位の黄獅子旗は獲得したものの、応援団への挨拶の足取りは重いエイジェック
5回の攻撃の応援前には、応援リーダーが「皆さん、明日も予定は明けて戴いていると思います。明日もこの場で、みんなで応援して、その後は大宴会をしましょう」という、大人的な(笑?)メッセージも発せられていたけれども、そういうことも含めて、都市対抗野球という、社会人ならではの楽しさではないのかなぁ…、なんていうことも思っていた。
北関東地区では、日立製作所とSUBARUの2強があって、それに日本製紙鹿島がどう食い下がっていくのかなという構図だったのだけれども、エイジェックの躍進で間違いなく、北関東の社会人野球そのものも面白くなってきた。そのことは、今大会で強く印象づけたのではないだろうか。




