神保町シアターでは日活青春映画の輝くヒロイン和泉雅子特集 | (株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

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ついこの間始めたばかりだと思っていたこの会社も、干支で言うとひと回りを越えて、15年目に突入してしまった。その間には、コロナ禍や事務所の引っ越しも含めていろいろなこともあったかな。そんなことを思うと、まあ、よくここまで持っているかなというところだろうか。

 待ち望んでいた女優特集と言っていいであろうか。神保町シアターでは、日活青春映画の和泉雅子の特集である。かつて日活は石原裕次郎と小林旭、赤木圭一郎らのアクション路線と、一方では吉永小百合や芦川いずみに和泉雅子らの青春映画路線というのもあった。その、青春映画の女優陣の中では、ボクは和泉雅子が一番好きだった。

 日活女優は、石原裕次郎らの「日活ダイヤモンドライン」に対して、そのヒロインとなっていた浅丘ルリ子や芦川いずみ、笹森礼子、清水まゆみらを「日活パールライン」として売り出していた。そして、和泉雅子や松原智恵子、後の梶芽衣子となる太田雅子らは、そこにはカウントされていない存在でもあったけれども、それぞれのヒロインとしての存在は輝いていたのではないだろうかという気はしている。いわば、映画全盛期の残り香を貰いつつ、その存在感を十分に発揮してきた女優たちだったのだ。その一番手が和泉雅子だったと思っている。

 和泉雅子の相手役としてはダイヤモンドラインの次世代でもある山内賢か高橋英樹が多かった。高橋英樹とのコンビとしては日活任侠映画の『男の紋章』シリーズや鈴木清順の傑作『刺青一代』などがある。そして、山内賢との作品としては主題歌もヒットした『二人の銀座』が有名だが、ボクとしては和泉雅子の作品としては鈴木清順の1963年の『悪太郎』(今東光・原作)が最高だと思っている。青春映画の金字塔と言ってもいいくらいだ。モノクロ映像の中で、巧みに映像美が表現されている。

 古き良き時代とも言える大正初期を舞台として「オーロラの唄」を歌いながら和泉雅子と田代みどりが当時の女学生スタイルで登場するのだが、まさに大正ロマンの匂いを感じさせる魅力が満載だった。そして、主人公の山内賢は関西学院のような名門中学を放校とされて公立中学に転校していくのだけれども、そこでも、いろんな騒動を巻き起こしていくという、旧制中学の破天荒な学生を見事に描いていたとも思う。

 ただ、青春映画のラブロマン作品としてはラストは、ヒロインの死という形で悲劇となっていくのだけれども、少し切ない。ただ、これも佐久間良子の『故郷は緑なりき』(村山新治・監督)同様、青春悲恋ものの定番だったのかもしれない。

 また『青い山脈』はじめ、青春小説の旗頭でもあった石坂洋次郎原作で1966年の西村昭五郎監督作品『青春の海』は、吉永小百合が歌う主題歌「勇気ある者」から始まるのだけれども、伊豆下田、須崎を舞台に、中学教員として赴任してきた吉永小百合が、勝気な女子教員として奮闘していく。そして、その姉を慕っている妹でファッションデザイナーが和泉雅子という設定。明るく元気で、すべてに真正面から積極的に向かっていくという姉妹である。

 その引っ越し先の隣に住むのが、男所帯の家族だったというところから話は展開していく。父親は漁師の笠智衆で、長男が歯医者を開業した川地民夫、次男がグレて家を出た渡哲也だけれど、情に厚い。この渡哲也とは、伊豆へ向かう電車の中で姉妹は会っていることになっている。三男は実直で真面目な働き者の和田浩治。そして四男は料理学校に通ったりしながら一家の家事を担う役割の山内賢。この4人が、姉妹を巡ってそれぞれの思いが描かれていく青春映画だ。

 まさに、石坂洋次郎的というか、そのシチュエーションを青春映画の名手西村昭五郎が巧みに描いた作品とも言えようか。

 まあ、観てい棄て楽しい映画ではあった。渡哲也は、黒の革ジャン姿で登場するのだけれども、それはそのまま、日活アクションの最後の徒花とも言われている「無頼」シリーズの″人斬り五郎″に重なっていく雰囲気でもあった。

 こうして、昭和時代の作品をじっくりと観られる神保町シアターの企画もまた、ボクのような邦画好きにとっては、たまらないものである。5月には、何度目かの企画だけれども「芦川いずみ特集」が組まれることになっているらしい。