不思議な映画だった、つげ義春原作がベースの『旅と日々』 | (株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

(株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

ついこの間始めたばかりだと思っていたこの会社も、干支で言うとひと回りを越えて、15年目に突入してしまった。その間には、コロナ禍や事務所の引っ越しも含めていろいろなこともあったかな。そんなことを思うと、まあ、よくここまで持っているかなというところだろうか。

 つげ義春作品が原作となっているということと、何だか孤独感というか寂寥感たっぷりの宣材ポスターなどが気になっていた🎥『旅と日々』(三宅唱監督・脚本/原作=つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」)。いくつかの映画祭にも出品としているということでもある。それとタイトルも「旅の日々」ではなくて「旅」と「日々」が独立しているところに、何かしらの意味があるのかなぁなんて言うことも考えていた。

 そんな先入観で観に行った作品でもある。キャストとしては、『敵~TEKI』で独特の存在感を示していた河合優実が何となく、こういうイメージの作品に似合うのではないかとも勝手に思っていた。そして、確かに河合優実も不思議な感じで映し出されていたのだけれども、実はそれは、この作品の主人公(シム・ウンギョン)でもある韓国人のシナリオライターの作品の劇中映画での存在という形だった。

 その劇中映画も、ちょっとよくわからない作品でもあったかなぁという印象だった。もっとも、これもつげ義春原作である。いくらか厭世的な感じのする若い男女が降りしきる雨の中で、語り合っている。何だか、単調な会話かなぁと思っていたら、いきなり河合優実が「泳ごうかな」なんて言って、水着姿になって波の高い海に入るというシーンがあった。この、意表を突く展開は、ちょっと妙にエロチックでもあったりもした。

 

 その映画の脚本を担当していた主人公の韓国人の女性シナリオライターは、ちょっと行き詰まり感を感じて、ふらりと旅に出て、そこで雪国の東北地方と思われる寂れた田舎町のおんぼろ宿に宿泊する。そして、そこの宿主というか親父と過ごしながら、それぞれの仕事や人生を語るでもなく語っていくのだけれども、交流と言えばそうかもしれないけれども、降りしきる雪の中で淡々と過ごしていく時間と言えばそうでもある。

 旅先での出会いと言えばそうかもしれないけれども、流れていった時間の一コマと言えばそうかもしれない。そんな主人公の言葉の中で「(シナリオライターとして)言葉に行き詰まった時は言葉から離れるために旅に出る」というような表現があった。だけど、モノカキの端くれでもあるボクとしては、むしろ逆だと思っている。

「旅は発見でもあり、知らないことを知ることでもあり、出会いでもある。そして、それを"言葉"でどう表現するのかということもあるのだ」ということとも考えている。だから、"言葉"を見つけるために旅に出るのではないかと思っているのだ。

 まぁ、そんなことも含めて、最後までわかったような、わからないような、そんな印象の映画でもあった。ロードムービーかと言うと、ボクとしては「そうでもないんじゃないかなぁ」なんて言う気にもなっていた。