女優魂特集の神保町シアターで『怪談・雪女郎』を観た | (株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

(株)ジャスト・プランニングも、何だかんだで15年目を突破した

ついこの間始めたばかりだと思っていたこの会社も、干支で言うとひと回りを越えて、15年目に突入してしまった。その間には、コロナ禍や事務所の引っ越しも含めていろいろなこともあったかな。そんなことを思うと、まあ、よくここまで持っているかなというところだろうか。

 別段深い理由があるワケではないけれども、しばらく足が遠のいていたので、久しぶりの神保町シアターとなった。現在の作品セレクトは「女優魂」特集として淡島千景、岡田茉莉子、浅丘ルリ子、山本富士子、香川京子など日本の代表的女優の、それぞれの代表作というか注目作が上映されていた。

 もちろん、今回のセレクションに入っていないけれども、素晴らしい女優は何人も存在する。若尾文子や芦川いづみ、佐久間良子、京マチ子などは別途で特集が組まれることも多い。ボクなんか若尾文子特集となれば、必ずと言っていいほど何回かは観に行っていた。

 今回、ボクが観たのは藤村志保主演の『怪談・雪女郎』(田中徳三・監督/八尋不二・脚本)である。1968(昭和43)年の作品だから、倒産前の大映の末期作品である。この時代の大映作品はどうかすると、狂い咲きのように怪作を誕生させてもいる。この作品も、そんな一つといっていいであろうか。

 とある仏師が飛騨の山中で吹雪に遭ってしまう。そこで雪女に遭遇して、師匠は雪女によって殺される。しかし、そのことを口外しないことを条件に仏師は命からがら逃げられた。それから5年、仏師は雨宿りで軒を貸した美女ゆきを迎え入れて夫婦となる。それが、かの雪女のこの世での姿であるということは容易に想像がつくのだが、夫婦は力を合わせて地頭の無理難題をクリアしていこうとする。

 やがて、地頭をやっつけてしまうのだが、それが雪女の仕業だということを仏師は察する。そして、5年前に自分が雪女に遭遇したことを口外してしまうのだ。そのことで豹変して雪女に変身したゆきだった。それでも、夫婦の想い出と子どもの泣き声に心が和み、静かに雪の中を去っていくというストーリー。そんなヒューマンな内容も盛り込まれていた佳作である。

 ジャンルとしてはホラーということになるのだろうけれども、文学性というか芸術性も高い作品といっていいだろう。そして、勧善懲悪的に悪人と善人の存在は明快なのだが、必ずしもハッピーエンドではないところが奥が深い。90分に満たない作品ではあったが、観終わった後も、しばしその世界に浸れるだけの余韻は十分に感じさせてくれた。

 田中徳三は大映京都を代表する監督の一人で、勝新太郎の大ヒット作『悪名』シリーズの1作目と2作目はじめ、シリーズの何作かを手掛けている。また、それだけではなく、市川雷蔵の『眠狂四郎殺法帖』『眠狂四郎女地獄』などに加えて、勝新太郎の『兵隊やくざ』シリーズなども何本か監督している。大映京都撮影所では、プログラムピクチャーの中からも、何本も好作品を生み出していた人でもある。

 『怪談雪女郎』の翌年の1969(昭和44)年には、安田道代(その後、大楠道代)主演で『笹笛お紋』という女股旅映画を撮っている。これは、いわゆるB級作品ながら、軽快でちょっとお色気もあって、痛快な作品だったという記憶がある。また、いつか観たいと思っている。