2年前に日本テレビで放映されていた同名のドラマがベースとなっているのが『あなたの番です~劇場版』(秋元康・企画原案/佐久間紀佳・監督/福原充則・脚本)だ。とはいうものの、ボクは、ドラマ版を見ていないので、ある意味では全く人物設定などに対しての予備知識もなく、単純に新規作品というフレッシュな気持ちでこの映画を観られたということになる。
田中圭と原田知世のいさかオールド新婚カップルが、マンションに引越ししてから2年後に、その結婚を祝うパーティーを船上で開催しようというところから話はスタートする。その夫婦の姓が「テヅカさん」(もちろん字は違っていて手塚さんなんだけれども)ということで、スクリーン上で「テヅカさん」なんて呼び掛けられると、ボク自身、妙にこそばゆい感じがしていた(まあ、どうでもいい話ではあるのだけれども)。
そして、そのパーティーにマンション住民はじめ、さまざまな人が招かれ、さらには他の人たちも乗り込んでいる豪華客船。そこで繰り広げられていく連続殺人事件の犯人を追っていくというのがメインストーリーとなっている。その船上での5日間でいろんなことが起きていくのだけれども、そこにドラマがある。船上というのは逃げ場がないわけで、そういう意味ではこの中に犯人がいるというサスペンス的要素を盛り上げていく要素としては確かなことだ。
展開としては、思わぬ犯人が浮上してきて、最終的には、やや意表を突かれた形の種明かしとなっていくのだけれども、話しの展開的にはいささか強引かなと言うところもなきにしもあらずではあった。とは言うものの、確かに、「次はどうなっていくのかな」という興味で、映画ストーリーに引っ張られていったところはあった。だから、飽きることなく2時間ちょいの時間を過ごすことは出来た。
ストーリーの発端は、新婚で引っ越してきたマンションでの住民会で話題になった“交換殺人”が発端となっている。そして、思わぬ人物の過去がその殺人事件の背景に絡んでいるということが何となく見えてくる。そこからは、次に起きることへの興味で引っ張っていくという流れになっていく。映画としては、もちろん犯人探しも大事なことなのだろうけれども、犯人が誰かということよりも、次に何が起こるのかということへの興味を強く表していた。また、周辺人物が、それぞれに怪しい存在として描いていくところに、作品的に犯人探しへの興味も引っ張って行っているのだろうなとも思わせていくものだった。
ただし、最終的には、ちょっと「えっ?」という形になるところに、この作品の劇場版としての意味があるのではないだろうかとも思わせてくれるのだ。
作品の根底のテーマとしては「愛」なのかなぁという気で観ていた。
田中圭のセリフの中にもあったけれども、「誰にも愛している人があり、愛されている人がある」のだから、という言葉で、命は大切にしなくてはいけないということを諭してもいる。ただ、作品の流れの中には、緊張感の中にも、ちょっとしたユーモアも流れている。もっとも、それを面白いと思えるかどうかは、それぞれの人の感覚でもあるとも思うのだけれども…。
ところで、ラストエンドロールクレジット、原田知世が筆頭だった。そうか、ヒロイン原田知世の方が、格上ということなのかなぁとも思ってしまった。さすがに、かつての角川3人娘だ。



