「相撲とは何なのか?」ということを根底に置きながら、その歴史的な部分まで掘り下げている。元力士でマンガ家でもあり、ちゃんこ屋も営んでいる琴剣を水先案内人として、大相撲の世界を描いて言ったドキュメンタリー映画。作品としては、境川部屋の豪栄道(現武隈親方)と高田川部屋の竜電にスポットを当てて、その力士としての半年間を主として追いかけながら遠藤憲一のナレーションで描かれている。
そんなドキュメンタリー映画『相撲道~サムライを継ぐ者たち』(坂田栄治・監督作品)は、新型コロナの影響で、今年は場所の開催も思うに任せない状況となってしまった相撲界へ向けて、あたかも背中を押す応援エールのようにも思える作品でもあったように思う。
もちろん、この企画が進行したと思われる一昨年の段階では、まさか新型コロナウイルスの影響で場所が中止になったり、変則な形での開催になるなどということは思いもよらなかったであろう。そして、今場所も九州場所は難しいということで、国技館での観客も5000人を上限ということでの開催となっている。
それでも、先場所に比べれば、倍の許容量となっている。ただ、少し前には、連日の満員だっただけに、映像の中て映し出される「満員御礼」の垂れ幕が下りてくるシーンや、ぎっしり詰まった観覧席からの声援のシーンなどには、今はそんな光景がないだけに何だかちょっと切ないと思えるような気もしていた。
そうした思いも含めて、文化としての相撲ということも、画面を通じてじっくり味わうことがてきた。琴剣のコメントや、高田川親方、境川親方のコメントも、それぞれの思いで「相撲とは何か」を語ってくれているような気がした。
土俵は、場所ごとに作り直すということは、以前も聞いたことはあるけれども、こうして見せられると、土俵作りも大事な継承文化だということを認識させられる。力士というのは「力」の「(武)士」と書くわけで、土俵というのは「土」の「俵」と書く。こうしてみると、相撲に関する一つひとつの言葉にも深い意味があることがわかる。やはり、神事であり伝統文化でもあるということだ。そんなことも、こうして映像を見ながら、改めて思ったことだった。
そういうことも含めて、土俵で繰り広げられることの一つひとつがとても奥が深いと思う。
独特の国技館の空気は、一度味わったら、やはりたまらない魅力だ



