週刊テヅカジン

週刊テヅカジン

手束仁が語る、週刊webエッセイ

 今さら、ボクが言うことではないのだろうけれども、今の時代はこちらで思っている以上に社会的な変革も起っているのだろうなと感じている。まあ、ボクなんかも仕事的にはセミリタイアみたいな位置づけになっているので、エラそうなことは言う立場でもないんだけれどもね。

 それでもボクを必要としてくれる仕事があれば(あるいは、「他にやるヤツがおらんもんで、しゃーないでアンタやってちょ」みたいな仕事も含めて)それはそれで快くお受けさせていただいております…(苦笑)。というところではあるんだけれども…ねぇ。正直、仕事も減っとりますわ。

 それでもまあ、依頼してくれるということは、それなりにまだ存在を認識されとるということかなぁ、なんていうことも思っている。いまの立ち位置としては、そんなところかなぁというところでもある。

 そんなことを思いながら日々を過ごしているのだけれども、大相撲中継が終わって、そのままNHKテレビをつけ続けていたら「リコーで2000人の希望退職者募集」なんていうニュースが入ってきた。

 リコーと言えば、ボクなんかからすればイコールコピー機という認識があるのだけれども、それはイコールファックスということでもあった。特に、ボクが社会に出た当初の1980年前半頃というのは、会社にファックスという機能が導入された初期的な時代でもあった。

 そんなだから、かつての家庭のテレビじゃないけれども、コピーそのものも、何だか厳かな行為にも思えていた。だから、単なるコピー取りということもクリエーティブなことではないんだろうかというような気持ちにもなっていたものだ。まあ、いい時代と言えばそうかもしれんけれども…。

 だから、宣材のコピー取りなんかでも、案外嬉しかったなぁなんていうことも思い出していた。そういえば、そのコピー機がリコーだったんだよなぁ…なんて言うことも蘇ってきた。それとは別に、コピーを取ることを「ゼロックスしてくれ」なんていう上司もいたなぁなんていうしょーもないことも思い出していた。

 ボクは当時は映像事業部なんて言う部署で、ビデオソフトの販売促進に関わっていたのだけれども、ビデオのジャケットの案がファックスで送られてきたりして「これは凄いなぁ」なんて思ったこともあった。それに、実は当時はまだ、ほとんどがモノクロだったし、そもそも届いたかどうかを電話で確認していた。その後に、文字の色などを電話で聞いて再度確認していたことがあったなぁ、なんていうことを思い出していた。

 もっとも、今はそんなもんはすべてメールで一発で送れるわけで、ファックスそのものをほとんど使われていない。一応会社には、その機能のあるコピー機が置かれてはいるんだけれどもね。

 たまに、高校野球の監督で、練習試合の予定表をファックスで送ってくれる人がいるんだけれども、そういう状況に遭遇するとなんだかとても嬉しくなる。もっとも、そういう人はほとんどボクと同世代なんだけれどもね(苦笑)。

 ふとしたニュースで、改めて時代の移り変わり、文明の変化の著しさを実感したという次第だった。