接戦の続く、今季のJapanラグビーリーグONE。2月に入ってからは、カテゴリーを越えた交流戦となっている。この日は、共に府中市にホームを置く東芝とサントリーという伝統チーム同士の注目のカードが聖地の秩父宮ラグビー場で開催となった。この日は、東芝がホストチーム扱いである。
東芝ブレイブルーパス東京 43(31―18/12―15)33 東京サントリーサンゴリアス
昨季の優勝チーム東芝BL東京は、ここまで5勝1敗1引き分けで勝点25で2位をキープ。前節では、昨季決勝と同一カードとなった埼玉WKに最後に追いつかれて28対28で引き分けた。
東京サントリーサンゴリアスは今季はスタートダッシュで躓いていたが、何とか盛り返してきてここまで3勝2敗2引き分けで勝点17で7位。まずはプレーオフ進出の権利がある6位以内まで押し上げたいところであろう。
試合は、激しい点の取り合いという展開になった。まずは5分にサントリーが攻め入ったが、ここはTMOでノートライ判定となったが、その直後に約30mのPGを⑩高本(大阪桐蔭→帝京大)が決めて先制。しかし、すぐに東芝が1本トライで返すとサントリーも浅いパントからNO⑧箸本(東福岡→早大)が抑えてリード。
東芝も14分、23分とトライを帰していき、目まぐるしい展開となっていたが、前半はロスタイムにWTB⑭ナイカブラ(フィジー)が素晴らしい突破力を見せて前半5本目のトライを決めた。
こうして、東芝の主導権で前半が終了したのだけれども、後半は46分、51分にサントリーはFB⑮河瀬(東海大仰星→早大)やCTB⑬ブニヴァイ(NZ)が返していき1点差。果たしてどうなっていくのかなという展開で、見ごたえは十分にあった。
57分の東芝はシンビンで1人かけてしまうのだけれども、このチャンスをサントリーは生かしきれず、逆に東芝が攻め込み、65分はTMOでノートライとなってしまったものの、69分には正面30m付近からCTB⑫トンプソン(NZ)がするりと抜け出て30mほどを独走してトライ。試合の流れとしても、とても大きなトライとなった。
そして、ロスタイムに入っても攻め続けた東芝はモールからFWが押し込んでHO⑯橋本(深谷→筑波大)が決めて、結果的には10点差となった。
サイトリーも、撮られてもすぐに取り返しに行く姿勢がアグレッシブで、見ていてもとても緊張感があった。今季のチーム状態として、東芝の方がややと乗っているというところで、こういったスコアになってしまったけれども、十分に見ごたえのある試合だった。東芝は、連覇へ向けて徐々にギアが上がってきて、チームとしても調子を上げてきているのかなという印象だ。
なお、トップリーグ時代の通算の両チームの対戦はこれで、共に30勝30敗と、まさに均衡したチーム同士ということを示す結果となった。
そして、この日の観客は13,339人と発表された。穏やかな天候の下、多くの人が集まっていたのだが、観る者にとっても、納得のいく好試合だったと言っていいであろう。