週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 今年が最後となるという、愛知県ドルフィンズアリーナでの大相撲名古屋場所。来年からは、現在建設中の名城公園近くの新愛知県体育館で開催されるそうだ。ボクとしては、このドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)のコンパクト感が好きで、椅子席からでもとてもよく見える。今回はi西椅子Sだが、東花道の向かい席だったということもあって。久しぶりの横綱照ノ富士の土俵入りをいい角度から観ることが出来た。そして、照ノ富士自身の結びの一番も、難敵かと思われた若元春に相撲を取らせぬ形で快勝した。ボクとしては、若元春も好きな力士なのだけれど、今回は復活目指す照ノ富士を称えたいと思っていた。

 この日は11時頃に現地に着いたのだけれども、土俵は序二段の終わり頃に差し掛かっていた。半田市出身の松蘭は、この日は取り組みがなかった。三段目には、今のところ比較的愛知県出身力とが多く、ご当地なのでアナウンスされるたびに拍手が沸いていたし、知り合いなのだろうか、声もかかっていた。そんな雰囲気も悪くない。陸奥部屋で三段目在位も長くなっている刈谷市出身の鋼がいい相撲を取った。ボクは、相撲と高校野球の共通点として、非常に故郷を意識させてくれる要素があるとも思っているのだ。

手前が、三段目の刈谷市出身の鋼  

 三日目の幕内取り組みの最初の注目は、三番目の「若隆景・遠藤」だった。ともに十両まで落ちていた(若隆景はケガで幕下まで落ちてからの復活)ところから、線徐庶は若隆景は十両優勝、遠藤も好成績で再入幕してきて野対戦である。結果は、若隆景が、立ち合いからいい相撲で快勝した。若隆景は、遠藤に5連勝ということで相性がいいようだ。

この日もよく入っていた三日目の土俵のドルフィンズアリーナ

 また、朝の山も美ノ海に寄り切りで3戦全勝。元大関だがいろいろあって一時は幕下まで落ちながらの復活。先場所は小結まで復帰しながらも、全休で東十二枚目まで転落してしまった。この位置だと、実力的にも優勝争いに絡んでこなくてはいけないであろう。

 もう一つの注目の一番「翔猿・宇良」は、終始翔猿の相撲で、宇良は持ち味の相撲を取り切れずに押し倒された。また、四股の綺麗な阿炎も平戸海と対戦して期待していたが、いいところなく押し出された。

足のよく上がった、きれいな四股の阿炎は好きな力士なのだが、この日は完敗

 先場所新小結で優勝の大の里は連敗していたが、今場所初白星。十番勝てば大関復帰となる関脇霧島は豪ノ山を上手投げで破った。豊昇龍と琴櫻の両横關は勝って2勝1敗としたが、カド番の大関貴景勝は熱海富士に寄り倒された。速い相撲でないと意気化あがってしまうのだろうけれども、熱海富士に上手く取られた。

翔猿と宇良の時間前の仕切り

 こうして、十分に大相撲を堪能することが出来た。大相撲は、日本の継承文化としても大事な存在だと思っている。年に、一度かニ度は、こうした伝統のある継承文化に生で触れることは、自分自身の精神浄化としても大事だと思っている。