サユリ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

サユリ

78点

コミックバーズに連載されていた押切蓮介の漫画を実写映画化。
主人公の少年・則雄が家族と共に一軒家に引っ越してくる。しかしその家にはサユリという謎の霊が憑いていたという話。
序盤はホラーの雰囲気満載。サユリの呪いによって則雄の家族がバンバン死んでいく展開。

出演者は無名もしくは華の無い(失礼)役者ばかりだが、中盤まではとにかく映像や演出が派手。

監督は『ノロイ』『テケテケ』『貞子vs加耶子』などでお馴染み白石晃士で、後半はもう彼らしいはっちゃけた構成。中学生レベルの下ネタが飛び出したり、霊と戦うため太極拳を特訓したり(笑)。ホラーだけどもはや爆笑してしまいそうなコメディ的要素は白石節炸裂。
後半では認知症だったお婆ちゃんが記憶を取り戻し、則雄と力を合わせてサユリと戦うところなんかすごく面白いアイデア。全体的になかなかホラーとして練られている印象。
終盤で目をそむけたくなる描写も出てくるため賛否両論かもしれないけれど、個人的には白石監督久々の当たり作だと感じた。
出来不出来の落差が激しいこの監督なものの、本作では近年なかなか見れない刺激的なホラー作ってくれたと思う。

監督:白石晃士
出演:南出凌嘉、近藤華、梶原善、占部房子、森田想、猪俣怜生、きたろう、根岸季衣
2024年  108分