マッドマックス:フュリオサ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

マッドマックス:フュリオサ

68点
2015年公開『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚物語。前作でシャーリーズ・セロンが演じた女戦士・フュリオサの若き時代を描く。監督はこのシリーズ全作で指揮をとっているお馴染みジョージ・ミラー。
ほぼ「行って帰ってくる」だけだった単純明快な前作に比べると、今回はフュリオサの子供時代からをわりと丁寧に描いている。ただその分、上映時間は2時間半近くなってしまい、ストレートに楽しめた過去作に比べるとダークな一面もやや強くなっている印象。
そしてフュリオサのキャラが前作から大分変ってしまった。演じたアニャ・テイラー=ジョイはシャマラン監督の『スプリット』や今年公開された『デューン 砂の惑星PART2』などでお馴染みだが、シャーリーズ・セロンとは見た目も性格もほぼ別人。
そして昨今の多様性の都合上なのか、やたら女性の強さが表現されている。序盤で母親が処刑され自らも連れ去られるフュリオサ。暴君に飼われながらも復讐の機会を伺い、16年後に出世し復讐に討って出る展開。
アクションは相変わらずすごいがCGなので現実味も薄く、命がけで撮影していた70年代の初代マッドマックスが懐かしく感じられる。ハリウッドはしばらくCG禁止の縛りを設けた方がいいのではといつも思う。
さてマニアの間では謎に評価が高い前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』だが、実は興収18億円と大してヒットしていない。個人的に過大評価だと思ってるこのシリーズ。あまり期待して見に行くと「あれっ?」と思いそう。

そしてマッドマックス5作目となった本作だけど、そういえば最後までマックス出てこない(笑)。

監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク、ラッキー・ヒューム、ネイサン・ジョーンズ
2024年  148分
原題:Furiosa: A Mad Max Saga