劇場版 君と世界が終わる日に FINAL | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

劇場版 君と世界が終わる日に FINAL

62点

2021年に日本テレビ日曜22時半枠で連続ドラマで放送された『君と世界が終わる日に』。視聴率はイマイチだったが、その後有料動画サービス「Hulu」でシーズン4まで配信。そして今回は劇場版でFINALとなる。
まず冒頭で、過去の回想を含めなぜこうなったのかが語られる。そして本作はストーリーが独立しているので、今まで全く見たことがない人でも問題なく見れるのが魅力。
主人公の響(竹内涼真)が相変わらず中心だが、他のキャストは一新された。今回初めて出てきた今風の新鮮な役者が多数出ているため、ちょっと面食らう人も多いかもしれない。まぁそこは単独の映画と割り切って見て問題ないかな。
映像は映画だけあって、ゴーレム(ゾンビのこと)の迫力ある描写は海外のそれと比べてもレベルは高い。しかし本作の特徴は、とにかく「泣ける場面」がやたら多い事。ゾンビ作品に感動を持ち込むって海外でもそうそうないと思うんだけど、その辺本作は名ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』の美味しいどこ取りをしている印象。
行動がほとんど高層タワーだけで進む展開は『ダイ・ハード』を彷彿。他にもロメロゾンビや『バイオハザード』など、ちょこちょこパクりを混ぜてるため、オリジナル度は低い。ホラーやゾンビを見慣れてる人だと、どっかで見た場面が満載。
そして何より物語にハマれない人だと、もういちいち出てくるお涙頂戴の感動シーンがウザく感じてしまうのでは。そこは日本の実写邦画特有の陳腐なイメージが拭えなかった。


なお「FINAL」はあくまで主人公・響に関するストーリーが完結というだけで、物語はまだまだ続きそうな雰囲気を持たせている。
ドラマも配信も、そしてこの映画版も大してヒットしてない状態で「きみセカ」をどこまで引っ張るのかは少し興味ある(笑)

監督:菅原伸太郎
出演:竹内涼真、高橋文哉、堀田真由、板垣李光人、窪塚愛流、須賀健太、吉柳咲良、黒羽麻璃央、吉田鋼太郎
2024年  116分