サンクスギビング | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

サンクスギビング

68点

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲス監督が2007年に製作したB級ホラーアクション作品『グラインドハウス』。
その中で存在しない映画の予告編がお遊びで数本流れたが、そのうちの1本を16年後に実際に製作したのが本作。
監督は『ホステル』や『グリーン・インフェルノ』など強烈なホラーでお馴染みイーライ・ロス。
『サンクスギビング』は感謝祭のこと。アメリカでは11月の祝日でもある。その日に起こる恐ろしい殺戮を描いた展開。
殺人鬼題材のホラーだと近年は『テリファー』の公開で、もはやこれ以上グロい描写は出ないというところまできているため、本作はグロ映像ももちろんだけど、どこかコミカルで演出にも凝り、犯人は誰か要素も含め全体的に飽きさせない作りになっている。
そして知る人ぞ知るオマージュも満載。『ゾンビ』『悪魔のいけにえ』『13日の金曜日』『血のバレンタイン』『スクリーム』などなど、過去の名ホラーからの引用は、ホラーファンなら気付いたら思わずニヤリとしてしまいそう。残酷描写の中にお笑いを混ぜる、ある意味異常な世界ではあるものの、もはやネタ切れが深刻なハリウッドでホラー良作を作ろうと思ったら、タランティーノとかイーライ・ロスみたいな一本頭の線の切れたような人が、突き抜けたアイデア出さないとダメなんだろうな。
ただし個人的には楽しめた反面、どこか物足りなさも感じた。意外とオーソドックスで、イーライ・ロスにしては振り切ってない印象なんだな。

R-18指定で確かに目を覆うようなグロい部分もあるんだけど、こういう映画を見慣れてしまっている自分がむしろ怖い(笑)

監督:イーライ・ロス
出演:パトリク・デンプシー、ネル・ヴァルラーク、アディソン・レイ、ジェイレン・トーマス・ブルックス、マイロ・マンハイム
2023年  106分
原題:Thanksgiving