ウォンカとチョコレート工場のはじまり | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ウォンカとチョコレート工場のはじまり

65点
2005年に公開されたジョニー・デップ主演『チャーリーとチョコレート工場』の原作『チョコレート工場の秘密』の前日譚にあたる作品。原作に寄せてあるためあまり映画版とは関係ないらしく、ティム・バートン監督も関わっていない。
主演は若手の人気俳優ティモシー・シャラメだが、ジョニー・デップと比べるとやはり魅力不足と思った。ハリウッドは若手がなかなか出てこれない印象。
さて『チャーリーとチョコレート工場』は招かれた子供たちが一人一人消えていくというワンパターンだったけれど、今回はかなり凝ったストーリー。
世界一のチョコレート店を開こうと街にやってきた主人公・若き日のウォンカ。しかし敵やら苦難やらが次々と降りかかり、それらを一つ一つ乗り越えていく展開。作風はもちろんコミカルで、楽しく歌う要素も前作同様。
けど思ったよりも予想通りな展開で意外性はなく、それほど驚くような映像美もない。
監督は『パディントン』のポール・キングで、なるほど彼らしい子供が喜びそうなファンタジーを描いている。最後に軽く感動を持って来たあたり、単なる前日譚ではなく独立したひとつの作品としてレベルが高い。
しかしあまりにも綺麗にまとめすぎた感もあり、ティモシー・シャラメのファン以外が見ると、可もなく不可もなさそうな出来。ただヒュー・グラントとローワン・アトキンソンの存在感はさすがで、映画を引き立てている印象。

監督:ポール・キング
出演:ティモシー・シャラメ、ケイラ・レーン、マット・ルーカス、サリー・ホーキンス、ローワン・アトキンソン、キーガン=マイケル・リー、ヒュー・グラント
2023年  116分
原題:Wonka