ノック 終末の訪問者 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ノック 終末の訪問者

64点

『シックス・センス』でお馴染みサスペンス・ホラーの奇才M・ナイト・シャマラン新作。彼らしさ満載というか相変わらずというか、不気味な雰囲気かもし出す一見怖そうな内容。
今回はポリコレの風潮に習い、主人公がゲイのカップルで養子がアジア系女の子というわかりやすさ。今はこうでもしないと映画作れないのかね。
さてこの3人が山小屋で休暇を過ごしていると、突然ノックの音がして4人の男女が無理矢理侵入してくる。彼らが言うには「世界に終末が迫っている。それを止めるには、家族の1人を家族の手で殺すこと」。この辺の導入部はなるほど面白そうな出だし。
しかしあとは延々、この侵入者4人と家族3人が山小屋の中で会話するだけ。物語の変化といえば、テレビで本当に終末が迫っているという映像が流れるくらい。だがこの映像が本物かどうかはわからない。果たして終末は本当に訪れるのか?引っ張りに引っ張る展開がイライラを誘う。


そして見終わった感想としては、やっぱり今回も期待に応えるものではなかった。とりあえず驚くようなオチがないのは近年のシャマラン作品と変わらず。正直もはや、日本のドラマ「世にも奇妙な物語」を長編にして劣化させたようなクオリティ。
冒頭からのストーリー自体は興味深いものなだけに、この低調な構成は残念の一言。もう二ひねり三ひねりして、気の利いたエンディング思いつかなかったのかな。
シャマラン作品見るたびに同じようなこと毎回書いてるけど仕方ない。これ見て「面白かった!さすがシャマラン!」って言う人いないと思うぞ。

彼は今だに24年前の出世作『シックス・センス』の亡霊に悩んでいる気がする。

監督:M・ナイト・シャマラン
出演:デイブ・バウティスタ、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジ、ニキ・アムカ=バード、クリステン・ツイ、ルパート・グリント
2023年  100分
原題:Knock at the Cabin