湯道 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

湯道

69点

「茶道」「花道」ならぬ、お風呂の伝統文化『湯道』をコミカルに描いた作品。
主人公・史朗(生田斗真)が、実家の銭湯「まるきん温泉」を売り飛ばして跡地にマンションを建てようと企む。その実行のため、ひとまずその銭湯で働き様子を伺う展開。
本作の特徴は、とにかくひとクセもふたクセもある客が次々と現れ、楽しいやりとりしながらエピソードを繰り広げるところ。そのためキャストも豪華で個性的。

しかし一人一人の人生を描いているため、やや暑苦しい部分も多かった。お湯だけに(笑)
ただ個人的に思ったのは、こういう作品はやはりレストランのような飲食店の方が面白い。銭湯だと確かに今までにあまり無くて話として珍しいが、実際見てみたら意外と面白くなかった。せっかくの独特な面々がもったいなかった印象。
一応、終盤にどんでん返しも用意されいるが、そのオチもあまりサプライズ感は得られず、ふーんで終わったレベル。数多くの逸話を見せたはいいが、全体像が散漫になってしまった気がした。
個人的にお風呂大好きで、冬場は2度3度と入りたいタイプだけど、この映画でそのお風呂の楽しさを味わうことは今一つできなかった。アイデアは悪くなかったけれど、映画向きではなかった印象。

監督:鈴木雅之
出演:生田斗真、濱田岳、小日向文世、橋本環奈、天童よしみ、クリス・ハート、戸田恵子、吉行和子、ウェンツ瑛士、朝日奈央、生見愛瑠、吉田鋼太郎、夏木マリ、角野卓造、柄本明
2023年  126分