すべてうまくいきますように | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

すべてうまくいきますように

54点

今週のミニシアターランキングで2週連続1位の映画。主演ソフィー・マルソー演じる主人公が、倒れて障害を負う父親の現実に向かう内容。

1980年に『ラ・ブーム』で鮮烈なデビューを飾った当時13歳のソフィー・マルソーもこの時54歳。当然年齢は感じさせるが、基本的に美貌が変わってないのが凄い。とりあえず当時のファンにはおすすめしたい。
さて監督は『スイミング・プール』『Summer of 85』などでお馴染み、知る人ぞ知るフランスの鬼才フランソワ・オゾン。今回は「尊厳死」をテーマに置いた作品。
脳卒中で倒れた85歳の男性アンドレ。体の自由がきかなくなったアンドレは娘のエマニュエル(ソフィー・マルソー)に安楽死を頼み、合法なスイスでそれを模索していく。
テーマは重いが、実は意外とユーモアあふれる展開で楽しく見れる部分が多い。脳卒中と言ってもそれほど重症ではなく、映画が進むごとに症状も改善され、それなら死ななくてもいいんじゃない?と思わせながらもアンドレの決意は変わらない。さて結末やいかに。
予告編を見て一発で興味をそそった作品。しかし実際見るとアンドレがゲイだったり、妻もうつ状態だったり、相続の手続きが面倒だったりなどなどネガティブな要素も多く、随所でかなり眠気を誘う。思いのほか物語は淡々と進んでいく印象。
さて終盤では安楽死を通報されてしまうが、誰が通報したのかわからないまま映画は終わってしまう。けどそこに重要な意図があったのかな?そういう部分も含めて穴も多く、こう言っちゃなんだがあまり面白くないというか印象に残らない作品だった。泣く気満々で見たけど涙腺はピクリともせず。

監督:フランソワ・オゾン
出演:ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ジェラルディン・ペラス、シャーロット・ランプリング
2021年  113分
原題:Tout s'est bien passe