レジェンド&バタフライ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

レジェンド&バタフライ

63点

木村拓哉がぎふ信長まつりでパレードをして数万人集めるなど、公開前から宣伝に力を入れていた作品。レジェンドは織田信長、バタフライは妻・濃姫を表している。

さすがに予算かけただけあって、桶狭間の戦いから本能寺の変まで映像はかなりの迫力。ただそれを支える脇役が、大河や朝ドラで見た顔ぶれにテレ朝ドラマ・BGで出てきた斎藤工まで登場と、どこかショボい(スマン)。

政略結婚しお互い意地を張り合う2人が、どう見ても信長と濃姫に見えない。これ普通に木村拓哉と綾瀬はるかじゃん(笑)手の凝った映像とは裏腹に、信長と濃姫のやりとりが現代の恋愛もの丸出しで幼稚に見える。そもそも年齢設定に違和感があるのと、登場人物の言動の軽薄さがチラホラ目立つ。そこはキムタクのトレンディドラマをどこか思い出してしまい、何を演じてもキムタクと言われる本領発揮かも(失礼)。

そして2時間半以上かけたなら、もっと歴史上の出来事を細部まで見せられたのでは?とも思うもののやはりそこは大河ドラマと比べると内容が語り切れなかったのは仕方ないかなぁ。
エンディングは信長が壮絶に亡くなられるあたり、テレビ朝日連続ドラマ『未来への10カウント』の持ち上げ方が頭をよぎったりした。もう何度でも言うけど、これは織田信長じゃなくてどう見ても木村拓哉。
今映画館に行って本作を見ると、仰々しい音楽と壮大なラストに感動してしまう人もいると思うが、10年20年たったあとテレビかネットで見たらなんだよこれと失笑してしまいそう。
まぁ映画はノリで見るものでもあるので、今が楽しければそれはそれでいいんだけどさ。

監督:大友啓史
出演:木村拓哉、綾瀬はるか、伊藤英明、中谷美紀、北大路欣也、宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤工
2023年  168分