ザリガニの鳴くところ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ザリガニの鳴くところ

67点
全世界で1500万部を売り、2019年~20年にアメリカで最も売れたという小説の映画化。

湿地帯で一人で生きる美女のカイアが、知人の若者を殺した罪で逮捕され裁判で争う展開。
「結末は正真正銘の衝撃!」とのキャッチコピー。個人的にそういうの大好きなんだけど、ただ結論から言うと本作のラストはそれほど大したオチはなく、衝撃を求めて見ると肩すかしを食いそうな内容。
とにかく全編、映像が綺麗で上品なサスペンスという印象。しかし刺激的な描写は少なくテンポも遅いため、DVや殺人を扱った内容にしてはやや退屈な感がある。
時代はまず1952年あたりで主人公カイアの子供時代から始まり、2人の青年と絡みあって1969年に事件が起こる。この時代背景が上手く映像美とマッチし、一見して興味深く食いつきそうな内容なものの、先に書いた通り全編通して見ると退屈な展開と、衝撃でもなんでもない結末が残念なんだな。
殺人事件と対峙した美女の人間ドラマとして鑑賞すればまた少し感想も違ったかもしれないが、サスペンス/ミステリー/推理ものという前評判を聞いて見てしまうとやはり物足りなさが残る。
クオリティは高いが映画として面白くないという、なんともバランスの悪さを感じた。

監督:オリヴィア・ニューマン
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、ハリス・ディッキンソン、マイケル・ハイアット
2022年  126分
原題:Where the Crawdads Sing