ブレッド・トレイン | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ブレッド・トレイン

66点

伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』をなぜかハリウッドで映画化。舞台はもちろん日本。
レディバグと呼ばれる殺し屋(ブラッド・ピット)が、新幹線の中からお金の入ったブリーフケースを回収するように命じられる。その車内で次々と派手な殺し合いが起こる展開。
一見してクエンティン・タランティーノ監督っぽい作風だけど、こちらは『ジョン・ウィック』『デッドプール2』などのデヴィッド・リーチが監督を務めている。
複数の要素が絡み合う複雑なプロット、人がたくさん死ぬアクション、そして有名な役者が意外な役で出ていたりと、タランティーノ作品で言うと『パルプ・フィクション』や『キル・ビル』を彷彿させる印象。
ただし見た目の特異さを追求しすぎたためか、ストーリーが支離滅裂。冒頭から特にわけわからん構成が多く、まぁ確かにきちんと整理して見ていれば、終盤その繋がりが理解できそうなものの、やはり全編その内容の大味さはいかんともしがたい。
そしてハリウッドが日本を描く場合、人を馬鹿にしたような極端かつありえない描写が多いが、本作での日本はむしろ突き抜けてコミカルに表現されているので、そこは思わず吹き出してしまうような映像が多いかな。
しかしまぁパッと見た目は派手かもしれんが、2時間というけっこうな長さでこの薄っぺらい内容だと終盤だいぶ飽きる。最初から最後まで相当手の込んだおバカなアクション映画という感じだけれど、話が今ひとつ面白くないのが終始付きまとう。

ただせっかくブラピがコロナ禍で来日してくれたので、四の五の言わず勢い一発で楽しむ作品なのかも。

監督:デヴィッド・リーチ
出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アンドリュー・小路、アーロン・テイラー=ジョンソン、真田広之、サンドラ・ブロック
2022年  126分
原題:Bullet Train