ベイビー・ブローカー | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ベイビー・ブローカー

55点

韓国映画だがなぜか監督は日本の是枝裕和。もちろん全編韓国語で韓国で撮影されている。はい韓国韓国(笑)
主演は『殺人の追憶』『パラサイト』などでお馴染みソン・ガンホ。
最後まで見てまず思ったのが、色んな意味でわかりずらい。韓国人のスジンやらソヨンやらドンスみたいな名前がごっちゃになるのと、赤ちゃんボックスに捨てられた乳児を盗み、売りさばくという「ベイビーブローカー」なる犯罪がどうも理解しがたい。
疑似家族という点で『万引き家族』に似ており、是枝作品の個性は十分出ている。ただ独特のユーモアあふれる泥臭さは韓国映画そのもので、こういうあちらの雰囲気苦手って人も多いと思う。
人身売買が題材だが決して悪人を描いたものではなく、むしろ家族の絆や葛藤を前面に押し出し、どこか曖昧なラストシーンで観客にメッセージを送る手法。なるほどそこも是枝映画らしさが見受けられる。
ただ前出したように、ストーリーではなく韓国の文化にわかりずらさを感じたため、とにかく感情移入が難しい。なぜこの映画を日本人が監督しなければならなかったのか。まぁその辺は昨今の韓国ゴリ推しがヒントになっていると思うけれど、何も無理して日韓で共作しなくてもいいのではとは思った。


監督:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ、カン・ドンウォン、イ・ジウン
2022年  129分