ノイズ(2022) | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ノイズ(2022)

70点

筒井哲也の漫画を実写映画化。
過疎化が進む架空の島・猪狩島。黒イチジク栽培を開発して島を発展させようと努力する若者(藤原竜也)が、偶然島を訪れた元犯罪者を殺してしまい、仲間(松山ケンイチ、神木隆之介)と一緒に遺体を隠して事件を隠蔽する展開。
ストーリーとしては、サム・ライミ監督のB級名サスペンス『シンプル・プラン』あたりを彷彿させた。嘘を一つつくとその矛盾を隠すためにまた嘘をつく。その悪循環の積み重ね。

しかしこの映画はストーリーや演出が雑で、あちこちにおかしな点が生じている。もともと単純な作風なので、そのアラが目立ってしまっている印象。
ただし「わかりやすい」という特色も本作の大きな長所。登場人物に感情移入できるという強みも兼ね備えており、殺人事件をモチーフにしたサスペンス作として、個人的には素直に楽しめた。藤原竜也のあの舞台俳優っぽい大げさな演技も健在。なので全体的には平均点といったところで上記の点数かな。まぁとりたてて驚くべきオチもないのは物足りないけれど、見た後に色々と議論するのは楽しいと思う。


さて藤原竜也と松山ケンイチは本作で『デスノート』以来15年ぶりの共演が売りになっているが、「あれ?カイジはなかったことになってるの?」と思った人、

そう、実はカイジの松山ケンイチは“友情出演”なので共演にカウントされないらしいのです(笑)

監督:廣木隆一
出演:藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介、黒木華、渡辺大知、波岡一喜、柄本明、寺島進、余貴美子、永瀬正敏
2022年  128分