死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。

53点
2013年に始まった『死霊館』シリーズもついに8作目。本作も1981年に起きた実話に基づいた話だそう。ちなみに、タイトルで思い切りネタバレしています(笑)
このシリーズでお馴染み、主人公の心霊研究家ウォーレン夫妻が調査に乗り出すのはいつも通り。本作は家主をナイフで22回刺して逮捕された若者の事件で、実は裏に潜んでいた呪いの儀式を紐解いていく展開。
映画の冒頭でいきなりクライマックスかのようなテンションの高さ。しかし全体的には、このシリーズにしては意外と盛り上がる場面は少ない。

今回は呪いの謎に関してのサスペンス的展開で、確かに怖い映像が随所に出てくるものの、ホラー的な要素は抑えめになっている。そこはシリーズものの構成として、他作と差別化を計ろうとした意図が明らかに感じられる印象。

ただやっぱりいつものウォーレン夫妻の姿を見ると、もはやそれは『死霊館』なんだな。他人の事件に首を突っ込んでるわりに、結局終盤でも美味しい所をウォーレン夫妻が持っていってしまうところに、このシリーズのあざとさすら感じてしまう。マンネリ化を防ぐために色々やってるのはわかるけれど、『死霊館』シリーズを毎回心待ちにしてるファンもさすがにそろそろ少ないのでは。

8作も作ってると、そこはシリーズ映画の中でスピンオフを混じえたり、アナベル人形を小出しに使ったり、ワンパターンにならない工夫が施されているものの、このテーマで延々と話を作り続けるのがそろそろ限界のような気がしてならない。


ハリウッド映画界のネタ切れはもはや深刻なようで、ちょっと当たったらそれでもう長々とシリーズ化の流れは止められない。果たしてこの『死霊館』もいつまで続くのやら。ちなみに現時点でも、少なくともあと2作の製作が進行中らしいが。

とは言っても新作が公開されると、また見てしまいそうな自分もいるけれど(汗)

監督:マイケル・チャベス
出演:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、スターリング・ジェリンズ、ルアイリ・オコナー、スティーブ・コールター
2021年  112分
原題:The Conjuring: The Devil Made Me Do It