護られなかった者たちへ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

護られなかった者たちへ

59点

中山七里の推理小説を映画化。原作は読んでいないけど、こちらの映画版ではミステリー感は薄く、ガッツリとメッセージ色濃い社会派作品に仕上がっている。
東日本大震災から4年後の仙台。宮城県で議員や福祉事務所の職員が連続して殺される事件が起こり、その容疑者として直前まで別事件で服役していた利根(佐藤健)が浮上する。果たして事件の真相は?
犯人探しというより、本作では事件の動機に重きが寄せられている。現実世界でも震災後で多発したであろう生活保護システムの不備、社会保障の充実を劇中で訴えるようなリアルな展開。

ただねぇ、どうにも佐藤健の演技があまりにも大げさすぎて、映画全体が押しつけがましく感じられてしまった。今回はなんか暑苦しいんだよねこの人。あ、ファンの人すいません(笑)
真相自体に特に驚くべきどんでん返しはなく「あぁそうなんだ」くらいのオチで、衝撃とか感動とかは残念ながらそれほど伝わってこなかった。
予告を見る限り、演者もストーリーもかなり気合いの入った力作に見えたけど、実際見てみるとわりとベタな構成で意外性も感じられず、かなり期待外れだった印象。


さて個人的に朝ドラの『おかえりモネ』が好きで毎日見てるんだけど、逆に「何だよまた清原果耶か」と思ってしまった。日本は同じ俳優をゴリ推ししすぎかな。

監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、林遣都、永山瑛太、吉岡秀隆、倍賞美津子、緒方直人、奥貫薫
2021年  134分