マスカレード・ナイト
74点
東野圭吾原作のミステリー小説『マスカレード・ホテル』の2年ぶりの続編。
舞台は前作と同じホテル・コルテシア東京。登場人物も続投のキャストが多いため、雰囲気もそのまま。
ただストーリーがだいぶ骨太になったのと、コミカルな描写が若干少なくなり、クライマックスは特に深刻な雰囲気へ変貌している。喜劇のような楽しさは少し薄れた分、正統派なサスペンス寄りになった印象。
人気作家のミステリー小説を映画化、ということでかなり奥深い展開。ともすれば置いて行かれそうな複雑さがあるが、キャストが有名俳優ばかりで、ひと目見たらわかる個性を持ち合わせているため、意外とわかりにくさは感じなかった。ライトなファンにも、じっくり見たい人にもおすすめできる完成度。
今回はマスカレード=仮装パーティで、仮面と素顔の二面性を各人に当てはめた演出。もちろん犯人捜しの面白さも前作同様堪能できる。
ただ理詰めな構成なんだけど「これはアリ?」みたいな強引な部分も出てくるため、悪い意味でなかなか先が読めない。そのわりにそれほど驚くべき真相になっていなかったり。また時間に追われてる設定のわりにじっくり謎解きをしてみたり(笑)
というわけで、これはやられたぁ~!みたいな大どんでん返しは味わえない。ふーんなるほど、みたいな地味な終わり方なのは少し残念といえば残念。
さて原作は3作出ており本作はその3作目。2作目『マスカレード・イブ』は前日譚のためキムタク演じる新田が出てこないので、映画化は今後もなさそう。
ということは東野圭吾が新たな続編原作を書かないと、映画も続編が作られないということになるが、果たしてどうなりますか。個人的にはもうこのシリーズはお腹いっぱいです(笑)
監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、梶原善、泉澤祐希、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、
麻生久美子、高岡早紀、博多華丸、鶴見辰吾、石橋凌、渡部篤郎
2021年 129分