アオラレ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

アオラレ

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日本でよくニュースにもなっている煽り運転だが、実はアメリカでも社会問題となっているようで、その「煽られ」を題材にしたホラーっぽいアクション作品。
シングルマザーのレイチェルが息子を車で学校に送る途中、中年男性の車とトラブルになる。息子を学校で降ろした後、その男性に追われる「煽られ」展開。
導入部の設定はスピルバーグの名作『激突』に似ている。ただ本作は、加害者(ラッセル・クロウ)が最初から顔出ししており、素性も徐々に明らかになっていくため、序盤は不気味さというより、リアリティを重視した感じ。
被害者の主婦も、意外と性格が悪いところが描かれていて、双方に人間臭さを出したのはなかなかユニークな設定。
しかし後半は一転して、犯人役のラッセル・クロウ大暴れの展開。人も数人を殺しての派手な追いかけっこは、実際の煽り運転からかなり離れてしまっていて現実味はほぼゼロ。ただそこは、作り話のアクション系映画として見る分には良い盛り上がりかもしれない。
現実のニュースで、煽り運転の報道がテレビでやってたら気分悪くなるし目を背けてしまいがちだけど、映画としてここまで突き抜けた犯人だと逆に面白い部分はある。ラッセル・クロウも太ったなぁ、と思ったが妙に犯人役にマッチしてて草。

監督:デリック・ボルテ
出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・ベイトマン、ジミ・シンプソン
2020年  93分
原題:Unhinged