ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

76点

2016年公開『スーサイド・スクワッド』の続編だが、製作にあたり紆余曲折あったようで、監督も数回変更。結局『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのジェームズ・ガンを監督に据え、彼独自の世界観で全く新しい独立した作品に仕上げている。なので続編感はあまりない。
冒頭から登場人物が容赦なくバンバン死んでいきグロシーンも全開。ハーレイ・クイン以外は馴染みのない新キャラも多く、見た人はおそらくいきなり面食らう展開だと思う。
ただ真剣に見ていると、徐々にその新キャラ軍団に思い入れが出てくるから不思議。敵の悪党もチープな作りで逆にそこがコミカルで魅力的な連中が多い。

しかし憎めない存在、と言うにはあまりにも残酷描写が激しく、そのわりに132分とやや長尺で、映画に入り込めないともう中盤以降は苦痛になりそうな賛否両論別れるであろう構成。
敵も味方もやたら次々と入り乱れて登場し、時間配分も雑で、一番人気のハーレイ・クインの使い方もあまり上手くない。個人的にもその辺は手放しで面白かったとは言いにくい映画だった。
そこは最初に書いた通り、そもそもの製作意図が紆余曲折し時間がなかった、というところに難点があったのかもしれない。まぁようするに、もうちょっと考えまとめてから映画作った方がよかったかな、と(笑)

とは言うものの、結果的にそこは破天荒な作風に繋がったので、意外性は十分。DCコミック原作としては異彩を放つ存在のシリーズ。

監督:ジェームズ・ガン
出演:マーゴット・ロビー、イドリス・エルバ、ジョン・シナ、ジョエル・キナマン、デヴィッド・ダストマルチャン、シルベスター・スタローン(声の出演)
2021年  132分
原題:The Suicide Squad