花束みたいな恋をした | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

花束みたいな恋をした

62点

菅田将暉と有村架純が主演の恋愛映画。
脚本は連続ドラマの『東京ラブストーリー』や『カルテット』でお馴染み坂元裕二のオリジナル、監督は『いま、会いにゆきます』『ハナミズキ』の土井裕泰。このコンビだけでも面白くなりそうと期待した人も多そう。
終電を逃して偶然知り合った主人公2人。びっくりするくらい共通点が多く自然と付き合うようになり、その後5年間を描く。
半ばドキュメント作品とも思うほど、物語はリアル。

同棲して将来も考えるようになる2人。趣味や繋がりを大切にする女性に対し、就職して仕事を優先させる男性。2人がすれ違うのはごく自然でむしろ当たり前のように溝が生じる。

どこにでもありそうな恋愛、しかしこうして今人気の2人が演じると、なんとなく別世界のように感じる。そこはいくらリアルでもやっぱり「映画の物語」と一線が引いてある印象。
全体的に生活感がにじみ出る、どちらかと言うと渋めの展開だがそこにこの作品のポイントが隠されているように思える。じわじわと沁みてくる実体験のような構成、似たような経験をした人の心を動かしそうな内容。

ただし号泣するような仕掛けもなければファンタジーな出来事もないので、良くできた作品だけど意外と賛否は別れそう。心に残るか?と言われると個人的にはそうでもなかった。

監督:土井裕泰
出演:菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、オダギリジョー、古川琴音、戸田恵子、小林薫、押井守
2021年  124分