私をくいとめて | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

私をくいとめて

81点

のんと橋本愛が朝ドラ『あまちゃん』以来7年ぶりに共演したことでも話題の作品。監督は『勝手にふるえてろ』『甘いお酒でうがい』など独特のゆるい世界観を表現してきた大九明子。そして原作は2004年に『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞した綿矢りさ。
主人公の黒田みつ子は31歳独身で、一人焼肉まで平気でやっちゃう「おひとりさまライフ」を楽しんでるOL。その主人公演じるのんは、実年齢は27歳で見ての通りの童顔。年齢設定に多少の無理はあるものの、ちょっと危ないキャラを上手く演じている。
イタリアに住む友人役の橋本愛との交流する場面も、『あまちゃん』好きだった人からしたら胸熱では。
全体的にコミカルで、シュールな味付けがバラ撒いてある。一人で色んな趣味を満喫している主人公を見てるとこちらも楽しくなってくる印象。
2時間超とやや長めの映画で無駄な部分も多いように感じられたが、そういう無駄をあえて挿入するのも大九監督の個性かもしれない。
主人公の脳内へアドバイスをくれる謎の声(中村倫也)が、『魔女の宅急便』のジジをなんとなく連想した。
こういう独特な雰囲気を持った映画はのんに合ってると思う。できればそろそろのん出演のドラマを地上波で見たいところだが。

監督:大九明子
出演:のん、橋本愛、林遣都、臼田あさ美、若林拓也、片桐はいり、前野朋哉、吉住、中村倫也(声の出演)
2020年  133分