真・鮫島事件 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

真・鮫島事件

48点

「牛の首」という、聞いたらショックで死んでしまうくらいの怖い怪談の噂がある。ぜひ聞いてみたいと言う人が続出するが、誰も内容を知らない。

実は「牛の首」などという怪談は、最初から存在していなかった。

・・・という都市伝説があるけど、本作も元ネタは似たような話。

 

「鮫島事件」はネット掲示板の5ちゃんねるで長年語り継がれてきたネタで、実は鮫島という名前すらでっち上げの、全く存在していない題名だけの事件。

だからこれ、どうやって映画にするのかなぁ?って不思議に思って見た。
しかしその辺期待してなかったら、意外と本格的にホラー描写が多くて良い意味でびっくり。
冒頭から今流行の、オンラインでのリモート飲み会が物語の舞台。話題がいつしか「鮫島事件」へと移っていく。本来は存在していなかった事件を探った者は、呪いによって死んでしまうという、まぁ『リング』のような展開。なぜかキリスト教・七つの大罪まで発展するも、終盤はなかなかの盛り上がり。
全体的には『世にも奇妙な物語』の1エピソードを長くしたようなコンパクトな雰囲気。安っぽいといえば安っぽいが、各シーンにバラ撒かれた怖~い演出はなかなか心に残る。なので安っぽいの一言で切り捨てるには惜しい作品かな。そこは期待しないで見た分の上乗せもあるけどね。
映画館で1800円払って見るにはおすすめしにくいけど、レンタルや配信で見るならぜひ・・・おっと、誰か来たようだ。

監督:永江二朗
出演:武田玲奈、小西桜子、濱正悟、林カラス、鶴見萌、佐野岳
2020年  80分