STAND BY ME ドラえもん2 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

STAND BY ME ドラえもん2

52点
誰でも知ってそうなドラえもんの有名な初期のエピソードを厳選し、CGアニメとして2014年に復活させたのが『STAND BY ME ドラえもん』。
そしてドラえもん50周年記念として、2020年に作られた続編が本作。

監督は『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を思い切り改悪してしまった山崎貴だが、今回も随所でちょこちょこと原作を悪い方向に変えてしまっている。
まず冒頭で何やらゴソゴソとタイムマシンを使った不穏な動き。後の伏線なのはわかるがいきなりわかりにくく、最終的にあまり上手くこの伏線は回収できてない。

今回のメインは名作とされる「おばあちゃんの思い出」を、のび太・しずかちゃんの結婚に絡める展開。しかし例えばジャイアンやスネ夫の性格が「あれ?こんなんだっけ?」みたいに微妙に変わってたり、不必要なところで秘密道具が登場したり、前出したタイムマシンを使った要素が面倒だったり、CG映画化するうえであれこれ盛り沢山にしたのが、逆に邪魔になってしまった印象。
そして菅田将暉の主題歌も含め、「さぁ泣け」みたいな押しつけがましい構成が鼻につくのは誰でも感じたと思う。そもそもドラえもんって泣ける要素は大してない漫画なはずなんだよね。ここへきてのドラ泣きも2回目だと少々ウンザリ。

前作がヒットしたこと、そしてドラえもん50周年であることで本作の製作に踏み切ったと思うけれど、長編の劇場用アニメは定期的に公開されてるわけで、ここにきて美味しいとこだけを切り取ったCGアニメは、もう必要なかったのかもしれない。
やっぱりドラえもんは、15分×2本を寝そべってゲラゲラ笑いながら見てるのが一番かも。

監督:山崎貴
声の出演:水田わさび、大原めぐみ、妻夫木聡、かかずゆみ、木村昴、関智一、宮本信子
2020年  96分