バタリアン | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

バタリアン

94点

先週紹介した老舗的ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ作品、というかほぼ続編扱いなのかな。ジョージ・A・ロメロ監督が当時金に困って権利を売ったらしい(真偽不明)。なので邦題は『バタリアン』だけど原題は『The Return of the Living Dead』。
有名ゾンビ映画が実は本当にあった出来事で、ゾンビを詰めたタルが手違いで医療会社の倉庫に保管されていた。社員の爺さんとバイトの青年が興味本位でそのタルを叩くとガスが噴出し、隣の墓地まで流出して大量の死体が生き返る展開。
ジャンルはコメディだが、ストーリーは決して笑わそうとするものではなく、登場人物は大まじめでゾンビと戦っている。そのギャップがなんとも絶妙。
ここでのゾンビは多少の知能を持っており、しかも全速力で走ってくる。素早いゾンビの原点ともいえるかもしれない。映像に古臭い部分は全く無く、1985年の映画だけど今見てもクオリティがメチャクチャ高い。

とにかくストーリーや演出が一級品でわかりやすく、前半にバラ撒いた伏線をそう回収するか~と感心するばかり。終盤の畳みかける演出は、粋なBGMも加えて上手いの一言。

グロ描写は抑え目なので万人におすすめできる。見てない方がいたらぜひ。絶対面白い。

 

監督:ダン・オバノン
出演:クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン、ドン・カルファ、トム・マシューズ、ビバリー・ランドルフ
1985年  91分
原題:The Return of the Living Dead