透明人間(2020) | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

透明人間(2020)

50点

『ソウ』シリーズや『インシディアス』を仕掛けたリー・ワネルの監督作品。

1933年の古典原作『透明人間』をモチーフにしているが、内容は完全なオリジナルで、過去のどの作品とも関連していない単発の映画。
さて『透明人間』というと、犯罪に利用したりエッチなことをしたり(笑)、が従来のアイデアだと思うけど、本作はコミカルな描写はほとんどない正統派のSFサスペンス。
同棲する恋人同士、しかし束縛に苦しむ女性が逃亡。すると男性が透明人間になり追いかけてくる展開。
よくある男女のいざこざに、透明という要素を盛り込む今までとは少し違った印象のストーリー。ただ映画を見てると、やっぱり透明人間を扱うならもっと身近で楽しいことに使ってほしかったというジレンマを感じる。これじゃただの痴話喧嘩だよなぁ。
最新の技術を用いているので、透明映像は本当に凄いんだが、特に捻りがない進行にはありがちなものにしか感じられず、2時間も引っ張ってこのラストかよ、という後味もよくない。
もし自分が透明人間になったら?というSFっぽいワクワクを期待してはいけない。中身はあくまでオーソドックスなサスペンスアクションなんだけど、その観点で見てもあまり面白くなかった。

監督:リー・ワネル
出演:エリザベス・モス、オリヴァー・ジャクソン=コーエン、オルディス・ホッジ、ストーム・リード、ハリエット・ダイアー
2020年  124分
原題:The Invisible Man