水曜日が消えた | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

水曜日が消えた

77点
突飛なアイデアを駆使した、ファンタジーっぽいサスペンス邦画。
幼い頃の交通事故で、曜日ごとに人格が入れ替わるという後遺症を負ってしまった青年の話。『君の名は』を思い切り発展させたようなユニークな設定だが、内容も先が読めずかなり面白い。
7つの人格はどれも個性満点で、生活スタイルも全く違うのが肝。そこはカメレオン俳優の代表格・中村倫也が上手く演じている。
基本的に主人公は火曜日で、ある日消えてしまった水曜日の行方を軸にストーリーが進む。どんでん返しもいくつか用意されており、そう来たかーと思わせるような、良い意味で期待を裏切る場面が連発。サスペンス映画ファンならきっと満足するであろう意外性がいくつもあった印象。
映画としての構成は未熟な部分が多く、子供の頃へのフラッシュバック演出が多かったり、伏線回収が甘かったり、欠点を挙げるとまぁそこそこ多かったり。万人を満足させるタイプではないかもしれないが、ハマる人は絶対ハマれるおすすめ作品。多少のアラは目をつぶって楽しみたいところ。
コロナで長らく新作が公開されてなかった中、1発目に見た映画としては笑えて泣けて大満足。やっぱ映画はいいもんだと再認識させてくれた、この時期としては最高の一本。
 
監督:吉野耕平
出演:中村倫也、石橋菜津美、中島歩、きたろう、深川麻衣
2020年  104分