星屑の町 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

星屑の町

83点
のん(能年玲奈)の『海月姫』以来6年ぶりとなる出演作。とは言っても彼女中心にスポットを当てた作品ではなく、あくまで1996年~2019年に上演された人気舞台の一環としての映画化。
ただもう、この映画の見どころは何と言ってものんの魅力に尽きる。バラエティ番組やYouTubeなどではポンコツぶりを発揮しているのんだけど、演技をやらせると不思議と圧倒的な存在感。
特にここでは昭和歌謡を数曲歌っているが、なんで普段からこういう曲を歌わないんだろうと不思議に思うくらい良い味を出している。やっぱり彼女は今どきのロックを歌うシンガーソングライターなんかより、女優やった方がいいよなぁ。
まぁ映画としては、主人公が一定しなかったり、終盤の展開が散漫だったり、笑いどころも泣きどころも中途半端だったり、それほど充実した内容ではないけれど、少なくとものんに興味がある人にとっては満足できるようなクオリティ。再起の第一歩としてはまずまずの出来。
長らくドラマ/映画の世界から干されてるのん。そろそろレプロも勘弁してあげないと、大げさに言えば日本映画の損失になりそうだが。
 
監督:水谷龍二
出演:のん、大平サブロー、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、戸田恵子、小日向星一、柄本明
2020年  102分