ラストレター | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ラストレター

73点
『Love Letter』『スワロウテイル』などでお馴染み岩井俊二監督作品。
同窓会で30年ぶりくらいに会った主人公と高校時代の同級生が、手紙のやりとりをする。実は同級生は自殺していて、手紙の主は妹だったという展開。
話はそれほど難しくないものの、映画の演出が色々と面倒。例えば現代と回想が交互に描かれたり、1人2役がいたり、姉のフリをした妹がいたり、母のフリをした娘がいたり(笑)
松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜、神木隆之介と主演クラスは魅力的な配役で、このキャストだけでもファンは満足できそうな贅沢な内容。
岩井監督自ら『Love Letter』のアンサー作品であると公言しており、前出した通り色々面倒な演出が組まれているため、見ているこちらも何か仕掛けがあるんじゃないかと構えてじっくりと見てしまうが、それほど驚くようなオチは用意されていない。
なのでエンドロールが上がって号泣、というタイプではなくどちらかと言うと肩透かし。見終わったあと思い返すとなんとなくじわじわ来るような作品。
一見派手なように感じるも、実は意外と地味目な構成。そこは岩井監督らしいと思う。ただこの人の映画は独特な、白っぽい雰囲気(わかるかな?)があるんだよなぁ。これ、言葉で説明するのは難しいんだけど、ここで苦手な人と好きな人がはっきり別れるような気がする。
 
監督:岩井俊二
出演:松たか子、広瀬すず、森七菜、庵野秀明、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治
2020年  120分