ターミネーター ニューフェイト | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ターミネーター ニューフェイト

65点
劇場版の『ターミネーター』は5本作られているが、今回は3以降をなかったことにして、2の正当な続編として作られた映画。1と2で大活躍したリンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーも年を取った姿そのままで登場している。
物語自体は1にそっくり。金属加工みたいな2の映像も継承されており、過去のターミネーターファンからするとどこか懐かしい雰囲気漂う構成になってはいるのは間違いない。
ただ物語の軸となっているのは、あくまで今回初登場の新キャラ女性2人と敵1体。つまり基本的に新展開「ニューフェイト」なんだけど、そこへ無理矢理過去の遺産をねじ込んだ感は否めない。
そして個人的に期待してた「現在の」エドワード・ファーロングも出演しておらず、リユニオン的要素は中途半端に終わってしまった印象。
本作を単発の作品として判断した場合、アクション映画としてそこそこ面白い映画なんだけど、それは単純に『ターミネーター』が面白いだけなんだよね。同じことを繰り返してるんだから、それなりに良作に仕上がるのは当たり前、ということになる。
『ターミネーター2』が傑作なのは誰しも認めるところ。しかしそれをほじくり返す価値は今回あったのかどうか。
 
結局今のハリウッドは、過去の大ヒット作にすがるという安直な道をたどっており、ゼロから新しいものを作り上げる作業が欠如していると思う。それが浮き彫りになったような作品。
 
監督:ティム・ミラー
出演:リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイビス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボニータ
2019年  129分
原題:Terminator: Dark Fate