ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

70点

『パルプ・フィクション』『キル・ビル』などでお馴染みクエンティン・タランティーノ監督作品。結論から言うと、タランティーノ映画大好きという人はそれなりに気に入るだろうし、そうでない人はまぁ面白くないと思う。
1969年のハリウッドを、当時の雰囲気を上手く表現した音楽や演出で魅せる。ブラピ、ディカプリオ、マーゴット・ロビーなど、現代ハリウッドの一流役者たちがなかなか当時のいい味を出している。
ただこの映画には、実ははっきりとした目的があるんだな。「マンソンファミリーによるシャロン・テート惨殺事件」という実際に起きた胸糞悪い事件。アメリカ人ならおそらく誰でも知っているであろうこの事件を題材にしてるので、その辺の事情に疎い日本人が予備知識なしに見てもポカーンとなる可能性が高い。つまりこの映画を見るなら、シャロン・テートという人が殺されたいきさつを前もって知っておく必要がある。

さて全体的には、161分の長尺をダラダラと引き延ばし、ラストで痛快に締めるタランティーノらしさが炸裂。『デス・プルーフ』や『イングロリアス・バスターズ』あたりに雰囲気は似てるかなと個人的には思った。
劇中ブルース・リーやスティーブ・マックィーンなども登場するが、やはり中盤まではけっこう退屈。R指定を避けたためなのか、後半の暴力シーンは暗がりばかりで肝心のグロシーンがよく見えない。うーんなるほど、欠点が多いのもタランティーノらしさなのかなと妙に納得。
【ラスト13分の衝撃と感動】という宣伝文句。ネタバレは控えるが確かにこのオチは奇抜な発想だし、賛否別れる大胆な締めだと思う。個人的にもこの映画、どう判断したものかよくわからないけど、少なくとも他人にはあまり勧めないかな(笑)


監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、アル・パチーノ、カート・ラッセル、ダコタ・ファニング、デイモン・ヘリマン、ラファエル・ザビエルチャ
2019年  161分
原題:Once Upon a Time in Hollywood