来る | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

来る

30点

『嫌われ松子の一生』『告白』でお馴染み中島哲也監督の、『渇き。』以来5年ぶりの監督作品。原作は第22回日本ホラー大賞に輝いた小説「ぼぎわんが、来る」。

ストーリーはどちらかと言うと単純。ただここで言葉で説明するのはなかなか難しい、変な映画。

得体の知れない「あれ」に襲われ、霊媒師呼んで戦う、みたいな展開。

内容よりもむしろ映像としての表現方法に凝った作品。なので最後まで見ても意味不明というかしっくりこないというか。結論をストレートに言ってしまうと面白くなかった。

岡田准一が舞台挨拶で中島監督のことを「こんな映画が作れるのは変態」と表現していたが、過去の中島作品はその変態さがいい方に出ていて個人的にも好きな監督だったんだけど、本作はただ不気味な描写をあちこちにバラ撒いただけの、逆にホラーとしてありがちな手法になってしまったように思えた。説明できない部分を、見た目のインパクトで誤魔化した、みたいな。

おそらくこれ、誰が見てもピンと来ないと思う。そういう意味で「来ない」映画。お後がよろしいようで(笑)


監督:中島哲也
出演:岡田准一、黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡、青木崇高、柴田理恵、太賀
2018年  134分