ジョゼと虎と魚たち | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ジョゼと虎と魚たち

91点
『ゼロの焦点』『グーグーだって猫である』などの犬童一心監督作品。田辺聖子の短編小説を映画化。
イケメン大学生が、貧乏で足の不自由な女性「ジョゼ」と付き合う話。
妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里ら当時売り出し中の若い役者が出演しているが、ストーリーはひと昔前の日活ロマンポルノを彷彿させるエロさ、泥臭さがある。
その独特な雰囲気の中、池脇千鶴演じる少女ジョゼの、関西弁で個性あふれる存在が見ていてどうにも楽しい。
妻夫木演じる主人公・恒夫はイケメンなだけに身勝手。結局エッチしか考えていない思考回路だが、相手が身障者でもおかまいなしの欲望には逆に少し好感が持てたりもする。
その恒夫とジョゼの出会いから別れまで、楽しい部分も辛い部分もストレートに表現した展開。正直不快な印象も多い映画で万人におすすめはできないが、生活感にじみ出る構成で恒夫とジョゼのやりとりに親近感が感じられるなんとも不思議な魅力を持った傑作。
テーマは辛辣だが、理屈抜きで見終わった後もう1度見たくなる作品。

監督:犬童一心
出演:妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里 、新井浩文
2003年 116分

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