カラオケのビックエコーという店でよくやったが、いんげん橋店か八幡店が多かった。
それをきっかけに付き合った友達もいたし、それになぜか僕らは看護婦たちとよく開いた。
今でも覚えている。
宇治川病院、徳洲会、六地蔵のほうの病院、武田、岡本、などなど。
ある日のこと。
いんげん橋のビックエコーに僕ら男子4人と、看護婦の卵5人が集まった。
僕らはチェッカーズや吉川晃司を歌い、女の子もドリカムや聖子を歌った。
手拍子やかけ声もあり、盛り上がって来た。
そう思った時、今まで歌わなかった同級生のオッチ(男子)の曲が流れ出した。
オフコースの『さよなら』だ。
前奏も寂しくて、歌詞も最高に切ない。
もう、、、
終わりだね、、、
君が、、、
小さく見える、、、
オッチは、しんみりと聴かせてくれた。とてもシーンとした。
僕は気を取り直して、米米CLUBの『シュールダンス』を入れて、また場を盛り上げた。
女の子も明菜の『デザイア』を歌い、熱は最高潮だ。
するとまたオッチが曲を入れた。さだまさしの『防人の歌』だ。
寂しい曲だ。場を一挙に盛り下げる。
教えて下さい、、、
この世に生きとしいけるものの、、、
思わずヤス(男子)が言った。『こっちが教えてほしいわ!なんでこの歌なん?』
この一言で場は笑った。
でもサビがやって来た。一挙にクールダウン。
海は死にますか、、、
山は死にますか、、、
風はどうですか、、、
僕『知らんがな!』
トモヒロ『それ気になるー?』
皆さん、教えて下さい。
山は死にますか?
さて、また皆は気を取り直し、酒も飲んでるので、段々と楽しくなって来た。
だがその時、またオッチの曲が鳴り出す。全員、楽しい歌であってくれと願った。
心の中で、その場の全員が一つになった。
オッチ、ええ選曲たのむぞ、と。
でも流れてきたのは、五木ひろしの『契り』だった。非常に残念だ。
寂しい感じを漂わせ、残念な雰囲気のまま、歌が始まった。
あなたは、、、
誰と、、、
ちぎりますか、、、
全員『知らんがな!』
もう、そうツッコまずにはいられなかった。
僕も好きな寂しい曲はあるが、合コンでは歌わない。
オッチは見事に契りを歌いきり、この場の雰囲気を最低なまでに盛り下げ、
皆から、盛り下げ隊長という妙なアダ名を付けられた。
おしまい。
嵐山あおや