せっかく応援して下さったみんなには申し訳ない。見事、落ちました♪
応援、ありがとうございました☆
食べました♪
さて、始めよう。
僕がアホ全開の中学1年の時だ。
当時、プロレスが流行っていた。僕らは互いに、プロレス技をかけあって遊んでいた。
雨の降る、ある日の校舎の廊下で、僕は友達の上宗君(うえそう)を見つけて、走り出した。
プロレスの『ローリングソバット』という技をかけようとしたのだ。
その技は、ジャンプして回転して後ろ蹴りをするという難易度の高いものだった。
僕が回転ジャンプをした瞬間、雨で濡れていた廊下で足を滑らせて、前からコケた。
正確にいうと、顔からコケた。アホな僕は、手を着くより先に、顔面を着いていた。
その時、前歯が僕の目の前を飛び散った。合計4本。
かけよってくる同級生たち。飛び散ってる歯に、悲鳴と笑い声。
コケてる僕の隣に、その時、僕が好きだった真紀ちゃんが来た。
真紀『あおや、大丈夫?』
その声は笑いを噛み締めていた。僕は思った。
真紀ちゃん、いっそのこと、笑ってくれと。
僕は、隣でかがんで笑いを噛み締めてる真紀ちゃんを見上げた。
僕は歯を折ってるにもかかわらず、こう思ったのを覚えている。
真紀ちゃん、パンツが見えかけてるよ♪
僕『ま、真紀ちゃん、大丈夫……』
前歯が4本折れてるのに、大丈夫な訳はなかった。
数日後、僕は差し歯になった。前歯が差し歯。
そして差し歯になった僕は、真紀ちゃんに告白をする。ラブレターを書いて。
差し歯の僕に、真紀ちゃんから返事が来た。
友達のままで……、と、かわいい文字で書かれてあった。ようはフラれたんだ。
でも僕はそれを宝箱に入れて、毎晩読んだ。宝箱と言っても、もとは海苔が入っていた箱である。
そこはいいじゃないか。
実はその箱の中には、真紀ちゃんからの返事と、美緒ちゃんからの返事と、紀美ちゃんからの返事が入っていた。
みんな、友達のままで……みたいな文章が書かれてある、この半年間の僕の成果だ。
何が成果だ!
そんなフラれまくった経験も、今じゃ懐かしい想い出だ。
嵐山あおや
『昨日、ガッツボーイズ勝利おめでとう♪』