『女子からの呼び出し』 | 優勝

優勝

天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪



僕がアホでかっこいい中学3年の時、家に女子から電話があった。


ちなみに、その頃の僕は、山崎賢人に似ていた。


僕『はい、もしもし?』

女子『あおやさんですか?』

僕『そうですけど。』

女子『私、あおやさんの事が好きで、渡したいものがあるんですけど。』

僕『そ、そうなん?誰?』

女子『2年の女子なんですけど、魚定ていう所に来てもらえませんか?』

僕『分かった。行くわ。』


魚定とは、地元の魚屋である。


僕は急いで1番お気に入りの服に着替え、髪の毛をセットし、タクティクスをつけた。


鏡を見ていると、自分自身の男っぷりに酔いかけたが、女子の待つお気に入りの自転車で魚定に向かった。


着いた僕は自転車を停め、1番カッコいい形で立ち、髪をかきあげながら女子を待った。


そして、待った。


なかなか来ないと思って髪を12回かきあげた頃、隣の同級生マユの家の2階から黄色い笑い声があがった。


そこには同級生の女子3人がいて、

えつこ『あおや、そんなとこで何してんねん?』

僕『年下の子に呼び出されてん。』

えつこ『それ私らやで!』

僕『えっ?!』


僕はその時、初めて騙されたと気付いた。


そして思った。何度も髪をかきあげなければ良かった、と。


あんなカッコいいポーズで立っていなければ良かった、と。


穴があったら、高橋マーサの鼻の穴でも入りたい、と思っていると、女子が家に上がっておいでと言ってくれた。


2階にあがると、
えつこ『何カッコつけて立ってんねん!』

マユ『変な顔して待ちやがって!』

ノブヨ『髪の毛のかきあげ方、金八先生みたいやったで!』

僕『やかましわ!めっちゃドキドキしながら来たのに!男の純情を持て遊びやがって!』


そのあと、僕らは楽しく遊び、僕はお気に入りの自転車で帰って行った。


タクティクスの香りを残して。



嵐山あおや