清明April
「100人で食べたいな富士山の上でおにぎりを」。その前段で「友達100人できるかな」と歌っているため、「歌っている子を含めると101人のはず。一人はどこへいった?」という見方があるらしい。
三遊亭圓生の、「紺屋高尾」。紺屋高尾 - Wikipedia
26歳の紺屋(こうや)の奉公人久蔵(きゅうぞう)が、吉原の高尾太夫(たかおだゆう)という今を時めくスター花魁の道中を見てぞっこん、恋患いとなった。
診察に来た医者は恋患いと診断したあとで、吉原で遊ぶには初回で10両と言う。
久蔵の給料は、一年で3両。
医者は、三年で9両貯めたらあと一両は出してやると言う。
久蔵は一身に働き、三年経って9両貯まった。
医者は久蔵を大尽風にさせ、自分はその家来という風を装いいざ吉原へ。
高尾太夫に会った久蔵は大感激。
また来ておくんなまし、と高尾太夫に言われると、久蔵は「今度来られるのは三年先だ」と泣き出す。
太夫が訳を訊くと、久蔵は本当のことを話す(医者は馴染の茶屋に控えている)。
すると、春をひさぐ卑しい自分を三年も働いて思ってくれたのか、と太夫が感動、「来年の二月十五日に年が明けるから、そうしたら女房にしてください」となった。
嬉しくなった久蔵、また一身に働き、二月の十五日となると、太夫が持参金を持って久蔵が働く紺屋に四つ手駕籠でやって来た。
久蔵の親方は、久蔵夫婦に近くに店を持たせた。
久蔵は、「早染め」という、客をその場に待たせてすぐに薄い甕覗き色に染める商品を考案。それまで「紺屋のあさって」と言われるほど染物屋はすぐには仕事をせずその約束はあてにならないものだったことと、元大スター高尾太夫が染めてくれるから御利益があるというのとで「早染め」は大ヒット。紺屋通りからは、あれも染めてもらおう、これも染めてもらいたいと白い布ものがなくなったという。
しまいには白い徳利や、黒猫まで染めてもらおうかとなったというお話。
その時代、着物ゆえデザインは限られていた、為に色というものやその色重ねのセンスが流行や粋・無粋の判断基準となったのでは、と思った。
「甕覗き」という薄色。
甕覗きとは、こういうイメージ(斜めから甕の水を見る感じ)だったのかなと思った。
紺屋の絵
広重の「神田紺屋町」
高尾太夫が輿入れの際に乗ってきたという、四つ手駕籠。
★4本の竹を四隅の柱とし、割り竹で簡単に編んで垂れをつけた駕籠。江戸時代、庶民用の簡素なもの。★
枕では、平家滅亡の際に自害をしなかった女性が春をひさぎ、それが花魁の始めだという説が話される。
「しかし万葉集には『さぶるこ』という言葉が既にがあってね」、と圓生。
★左夫流児 さぶるこ?-? 奈良時代の遊女。
露をだにいとふ倭の女郎花ふるあめりかに袖はぬらさじ (naniwoyomu.com)
女郎花(おみなえし)
★オミナエシ(女郎花、学名:Patrinia scabiosifolia)は、合弁花類オミナエシ科オミナエシ属の多年生植物。秋の七草の一つとして、日本では古くから親しまれている。別名は、敗醤(はいしょう)ともいう。
名称
和名の由来は、同属で姿がよく似ている白花のオトコエシ(男郎花)に対する「女郎花」で[1]、全体にやさしい感じがするところから名付けられたとされる[2]。「オミナエシ」の読みの語源はよくわかっていないが、一説には「エシ」は「圧し(へし)」であり、花の姿の美しさは美女を圧倒するという意味だとする説がある[3]。漢字で「女郎花」と書くが、これは漢名ではなく、日本では「敗醤」を当てていた[4]。花を室内に挿しておくと、やがて醤油の腐敗したような匂いになっていくことに由来する[4]。別名を、オミナメシ[1]や、チメグサ[2]ともいう。
漢名(中国植物名)は、黄花竜牙[5]。★
男郎花(おとこえし)
染物って面白い。
医者は吉原「出陣」前、久蔵の爪の間に入った染料の汚れに気づく。
久蔵は久しぶりに湯に行き、溜まった垢をぬか袋でこすって落としたのだが、爪の間まで気がいかなかった(又はぬか袋では落ちなかった)。
その爪の間の染料の汚れを取るのに医者が久蔵に渡したのが、鶯の糞。ウグイスの糞 - Wikipedia
江戸時代のぬか袋の再現。布目から洗剤が出てくるスポンジといったノリか。ぬか袋 - Wikipedia糠 - Wikipedia
鶯
梅に鶯、美しい
鳴き声も姿も美しい
「うぐいすの粉」という商品名の、化粧品。
「昔の婦人の知恵」
- ★商品説明
- うぐいすに近似した輸入野鳥のふんを乾燥させ、粉状にした白色粉末。そのままでも、石鹸を泡立てた中に混ぜても使用できます。★
美容文化社 / うぐいすの粉の公式商品情報|美容・化粧品情報はアットコスメ (cosme.net)
「作るのが面倒なため、注文してほしくないメニュー」(笑)。怪談を語るには落ちついたテンポが必須。怪談ならではの、独特の因果関係≒ベクトルがある(この話の場合、霊が故郷に帰りたい)。
お知らせ
わたしが文を書きました、福音館書店こどものとも 5月号の
「ステッドのホテル STED , A KANGAROO HOTELIER」、発売中です
絵本をお手にされた方は、見るとハッピーになる嶽(だけ)まいこさんの絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
カンガルーのステッドは、丘の上の小さなホテルで働いています。ホテルの仕事は、毎日がハプニングの連続。今日も、屋上で干していたシーツが風に飛ばされそうになったり、夕食の時間に停電になってしまったり……。次々と起こるトラブルをステッドが華麗に解決していきます。なんでもこなせるステッドの仕事ぶりを軽快に描きます。
ステッドのホテル (こどものとも2024年5月号) | くら ささら, 嶽 まいこ |本 | 通販 | Amazon
絵本を手に取られた方は、嶽(だけ)まいこさんのレンブラントのような光と影の表現を、どうぞご堪能なさってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ/ Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
折り込み付録「絵本のたのしみ・作者のことば」には、
「ロンドンのアットホームなホテル」と題し、作品の元となった、学生時代の旅行のことを書いております。
プロフィール画は、わたし作・カンガルーの親子です。どうぞよろしくお願いいたします☆
くらささら
「クックククックレストラン」こどものとも年中向きも引き続き発売中です
家族みんなでレストランに来ました。注文したのは、ハンバーグ、ナポリタン、ミックスピザに、特製デザート! クックククック、さあ作ろう! シェフたちが自慢の腕をふるって、ごちそうを作ります。つぎつぎと料理ができあがっていく過程を、弾むような言葉と踊るような絵で、美味しく楽しく描いた作品です。
【4~5才向け】こどものとも年中向き|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店(ふくいんかんしょてん) (fukuinkan.co.jp)
心のこもった温かく素晴らしい絵を描いてくださったのは、優しい天才イラストレーター、嶽(だけ)まいこ さんです
お手にされた方は、嶽さんが描くおいしそう過ぎる絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ / Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
閉じ込み付録「絵本のたのしみ作者のことば」には、
「ワクワク クックク レストラン」と題して、
この絵本が生まれるもととなった、こどもの頃の思い出を書いております
プロフィール絵は、わたし作・ぶたさんシェフです
どうぞよろしくお願いいたします(=^・・^=)
閉じ込み付録の「おたよりのへや」では、読者の方から『ひゃくえんだま どこへゆく?』の感想をいただいております。
どうもありがとうございます
ひゃくえんだま どこへゆく?|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店こどものとも7月号「ジッタとゼンスケ ふたりたび」発売中です
ジッタとゼンスケ ふたりたび (こどものとも2023年7月号) |くら ささら, くりはら たかし |本 |通販 |アマゾン
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【5~6才向け】こどものとも|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
「ひゃくえんだまどこへゆく?」コインの世界一周の旅発売中です
男の子がジュースを買おうと、100円玉を自動販売機に入れようとしたその瞬間......。100円玉がおっこちた! 100円玉は、ころころころころ、坂を転がって、トラックに運ばれたり、空を飛んだり、海に落ちたり。しまいには南極にたどり着いたり......! いったいどこまで行ってしまうのでしょうか? 小さな100円玉の壮大な冒険を描いた絵本です。
くらささら名義の他作品🐪「ひみつのえんそくきんいろのさばく」🐪
ひみつのえんそく きんいろのさばく (こどものとも2022年8月号) |くら ささら, 木内 達朗 |本 |通販 |アマゾン
以下、九螺ささら名義の著書です
ゆめのほとり鳥 (新鋭短歌シリーズ40) |九螺 ささら |本 |通販 |アマゾン