『モンスターズ・インク』
内容紹介
モンスター・シティ最大の会社、その名は《モンスターズ株式会社》。この会社の仕事は、モンスター・シティのエネルギー源である子供たちの悲鳴を集めること。そして、モンスターズ社のエリート中のエリートで全社員の憧れの的となっているのが、悲鳴獲得ポイントNo.1の怖がらせ屋、サリーことジェームズ・P・サリバンだ。 仕事上のパートナーで大親友のマイク・ワゾウスキとのコンビは完璧。一目見ただけでビビってしまう恐ろしいルックスと、日々の厳しい訓練の成果である脅かしテクニックで、次々とエネルギー・ボンベを子供の悲鳴で満タンにしていく。だが、実はモンスターの方こそ、子供たちを心底怖がっていた。彼らは人間の子供は有毒だと信じており、例え靴下一枚であってもモンスター・シティに持ち込むことは禁止されているくらいなのだ。 そしてモンスター・シティの歴史を揺るがす大事件は、ある日突然に起こった。仕事を終えたサリーが残務整理をしていると、そこには小さな人間の女の子が立っていたのである! 会社に知られれば自分たちも隔離されてしまうため、サリーとマイクは厳しい追跡を逃れてこっそりと少女を人間界に戻そうとするが・・・。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
モンスターと女の子の騒動と友情を描いた、『バグズ・ライフ』に続くディズニーの大ヒットファンタジーアニメの1枚組低価格版。子どもを怖がらせることが仕事のモンスターたちと女の子の騒動と友情を描く。
内容(「Oricon」データベースより)
子供たちの悲鳴を集めるビジネスをする“モンスターズ株式会社”に勤める、サリーとマイクのもとに突然人間の子供が現れる。しかし、子供の立入は禁止されているため、彼らはこっそり子供を人間界に戻そうとするが…。モンスターシティにまぎれこんだ子供と、怖がらせ屋のモンスターたちが繰り広げる心温まる冒険ファンタジー。「トイ・ストーリー」のピクサー社が放つフルCGアニメーション!
スタッフ
- 監督:ピート・ドクター
- 共同監督:デヴィッド・シルヴァーマン、リー・アンクリッチ
- 原案:ピート・ドクター、ジル・カルトン、ジェフ・ピジョン、ラルフ・エッグルストン
- 脚本:アンドリュー・スタントン、ダニエル・ガーソン
- 音楽:ランディ・ニューマン
- 製作:ダーラ・K・アンダーソン
- 製作総指揮:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
- ストーリー監修:ボブ・ピーターソン
- 編集:ジム・スチュワート
- プロダクション・デザイナー:ハーレー・ジェサップ、ボブ・ホーリー
- アート・ディレクター:ティア・w・クラッター、ドミニク・ルイス
『モンスターズ・インク』(原題:Monsters, Inc.)は、2001年に公開されたディズニーとピクサー製作の長編フルCGアニメーション映画。ピクサーの長編アニメーション作品としては第4作目となる。日本では2002年3月2日に公開された。ピクサー作品では初めてジョン・ラセターが製作総指揮に回り、ピート・ドクターが初監督を務めた。
2001年のアカデミー賞では作曲賞、主題歌賞、音響効果賞、長編アニメ賞にノミネートされ、そのうち主題歌賞を受賞した。
あらすじ
多種多様な姿形のモンスターたちが暮らすモンスターワールド。彼らの生活を豊かにするエネルギーの源は「人間の子供の悲鳴」である。大企業モンスターズインク(通称MI)では会社が無数に保有する人間の子供の部屋へ通じるドアを通じて怖がらせ屋のモンスターを送り込み、怯える子供たちの悲鳴を集めエネルギーへ変換し、モンスターワールドへ供給する。しかし昨今の子供たちは映画やゲームなどの影響で簡単には怖がらず、MIの業績は悪化を辿り、モンスターワールドのエネルギー不足が深刻化していた。同時にモンスターたちの間では、人間の子供は恐るべき病原菌を持っていると言い伝えられる恐怖の対象であった。人間の子供からモンスターワールドを守るため、街は常に子供検疫局(通称CDA)によって監視されていた。特にMIは子供と最も密接に関わる場所であるため頻繁にモンスターと人間の子供の接触が発生し、その度CDAの介入が起こり、作業の停滞によってまた業績が悪化するのだった。
屈強な体で毛むくじゃらの青いモンスターサリーと、緑色のひとつ目モンスターマイクは、MIへ勤める名物コンビ。サリーが怖がらせ屋で、マイクは彼のアシスタントを担っていた。特にサリーはMIの大社長ウォーターヌースに仕込まれた業績ナンバーワンの怖がらせ屋で、社内で誰からも尊敬されていた。そんなふたりを敵視するのは、サリーに次ぐ2番手の怖がらせ屋ランドール。彼はトップを奪取するのに固執し手段を選ばない、卑劣で意地悪いモンスターだった。
ある日、サリーはマイクから恋人のセリアとの約束を理由に書類の提出代理を頼まれ、誰もいない怖がらせフロアへ戻る。そこで業務外時間にもかかわらず出入り可能状態となっている白地に花柄のドアを見つける。不思議に思ったサリーが誰かが残業しているのではとドアの中を確認すると、偶然にもその部屋の主である人間の女の子ブーが、モンスターワールドへ入り込んでしまう。狼狽したサリーはブーをカバンへ押し込め、セリアとのレストランデート中のマイクの元へ向かい、このことを打ち明ける。しかし目を離した隙にブーは逃走、レストラン中の客が彼女に気付き、街は大混乱へ陥ってしまう。ひとまずブーを自宅へ匿ったサリーは、当初彼女を恐ろしがってばかりだったが、やがて彼女に危険がないのだと知る。
ブーを人間の世界へ返すべく、サリーとマイクはモンスターに変装させた彼女を会社へ連れて行くと、昨晩のパニックによるCDAの煩雑によって会社は混乱に陥っていた。そんな中ブーが迷子になってしまい、サリーは会社中を必死に探す。ブーへ愛着を覚えたサリーと、彼女を人間の世界へ一秒も早く戻そうと焦るマイク、徐々にふたりの相違が生まれてゆく。
その頃、ランドールがブーを攫うべく社内をうろついていた。昨晩仕事場で例のドアを出していたのはランドールで、彼が目を離したすきにブーが逃げてしまったのだった。ランドールがドアを出したのは仕事のためではない。社内では秘密裏に悲鳴吸引器が作られており、その実験材料にブーを使おうとしていたのだった。子供の悲鳴を直接吸い出し、かつてよりもスムーズにエネルギーを集められるといった代物だが、子供をショック死させる可能性さえある危険なものだった。
ランドールの企みを知ったサリーは、すべてを白日の下に晒すべくウォータヌースへ掛け合う。しかし、丁度新人怖がらせ屋の研修会中で、サリーはウォーターヌースから手本を見せてほしいとせがまれる。サリーは渋りつつも恐ろしい形相で吠え、その様子を見ていたブーはサリーを恐れてしまう。
その後、騒動の全ての経緯を聞いたウォーターヌースは、ブーを人間の世界へ返すよう指示。しかし、サリーたちの前へ出現したのはブーのものではなく、豪雪のヒマラヤ山脈へ続くドアであった。実はウォーターヌースはランドールの実験を指揮した黒幕で、すべてを隠蔽するべく事情を知るマイクとサリーを追放してしまう。
ブーに嫌われたと落ち込むサリー。サリーがブーへ肩入れするあまりに自分の人生を破滅に導いたと恨むマイク。雪の中で仲違いするふたりは、かつてモンスターワールドから追放されたイエティに助けられる。ブーを助けるべく、サリーは一人イエティの洞窟にあったスキーセットを改造したそりに乗って、山の麓にある子供のいる村を目指す。丁度村ではMIの怖がらせ屋の仕事が行われており、そこからサリーはモンスターワールドへ戻りブーの元へ急ぐ。実験室ではウォーターヌースとランドールがブーを実験に使おうとしていたが、すんでのところで間に合ったサリーがブーを助け出す。サリーは擬態したランドールに追い詰められるが、その場面に丁度サリーを追って戻ってきたマイクが現れ、たまたま投げつけた雪玉が図らずもランドールに命中、サリーは助かった。
マイクと共にブーを人間の世界へ戻そうとするサリーは、ブーのドアを追ってドアの保管庫へ侵入する。彼らを追ってきたランドールの手をかいくぐりつつ、無数のドアを移動し続けどうにか目当てのドアへたどり着く。ランドールを人間の世界へ追放することにも成功した。しかし、彼らはCDAを味方につけたウォーターヌースによって追い詰められてしまう。マイクを囮に逃げたサリーとブーは研修室へ逃げ込み、そこへ備え付けられたドアの接続機でブーのドアを起動するが、そこへウォーターヌースがやってくる。彼は業績悪化で傾きかけの会社を救うためなら「千人の子供を誘拐することも厭わない」と言い放ち、再びブーを攫おうとするが、そこで研修室に照明が灯った。ブーの部屋と思われていたそれは研修に使われる擬似的な子供の部屋で、その内部で行われていたウォーターヌースとサリーとのやりとりはすべて、マイクが呼び寄せたCDA局員によって確認されていた。
陰謀を暴露されたウォーターヌースは局員によって逮捕された。彼が去った後、サリーとマイクの前へCDAの首領であるロズが現れる。彼女は会社の職員を装い、2年半前からMIへ潜入して今回の事件について調査していたのだった。彼女はブーを人間の世界へ返すというサリーの意志を汲み取る。サリーはブーの部屋で彼女に別れを告げた。ドアはドア・シュレッダーによって処分され、事件のすべては混乱を避けるためにCDAによって隠蔽された。サリーはシュレッダーから出たドアの破片を握りしめた。
ウォーターヌースの逮捕によって会社は倒産し、社員たちは不安に苛まれる。MIの消滅によるエネルギー不足の陰は計り知れない。こんな状況を一周回って「結構笑えただろう」と揶揄したマイクの一言をヒントに、サリーはこの状況の打開策をひらめく。サリーはMIの社長を継ぎ、会社の方向性を子供を怖がらせることから笑わせることへシフトさせた。実はサリーは、モンスターに変装させたブーが社内で笑い声を上げた際に蛍光灯が強烈に光ったことや、ドア保管庫の冒険の最中にマイクのギャグを見たブーの笑い声が大量のドアを反応させたことから、「人間の笑い声は悲鳴を遥かに凌駕するエネルギーを秘めている」と確信していたのであった。実際、笑い声は悲鳴の10倍も効率が良いエネルギー供給源となり、会社の業績はV字回復、エネルギー不足にも改善の兆しが見えていた。
社員も子供も笑う最高の会社を作り上げるも、サリーはブーのことを忘れられず、いつもブーが描いた絵とドアの破片を眺めていた。ある日、サリーはマイクに連れられて会社の研修室へ訪れる。そこには壊されたはずのブーのドアがあった。確かに細々に破砕されたドアはマイクによって、長い時間と労力を懸けて修復されていたのだった。サリーが持っていた最後の一片をはめこむことで、ドアは完全に修復され、ブーの部屋と繋がった。サリーがドアを開けてブーを呼ぶと、彼を呼ぶ声が返ってきた。それは聞き慣れた人間の女の子の声だった。
サブキャラクター
- セリア(Celia Mae)
- モンスターズ・インクの受付レディ。マイクと熱愛中。一つ目で5本の髪の毛全てが蛇、手足は触手、スレンダーボディの外見の持ち主。一人称は「私」。マイクは彼女を「ハニー」(日本語版では「セリりん」)と呼び、彼女はマイクを「(かわいい)ギョロ目ちゃん」と呼んでいる。
- 実はブーがモンスター界に来た日はセリアの誕生日デートだったが、ブーの出現で台無しにされる。その後、CDAの消毒を受けた事で[注 3]マイクを見損ね、一時は破局寸前となったが、真相を知ったことでブーを元の世界に返す協力をしてくれた。その後は和解し元の熱愛関係に戻っている。
- ロズ(Roz)
- モンスターズ・インクで事務・怖がらせ屋が脅かす担当の子供達の管理を担当するナメクジの様な体に纏まって逆立った白髪、つり上がった眼鏡が特徴のおばさんモンスター。無愛想でスローな口調が特徴だが、仕事の鬼であり、書類の不備が多いマイクに常に目を光らせている。前日談のユニバーシティの時点で終盤マイクとすでに出会っており、「ずっと二人(マイクとサリー)を見ている」と一目置いていた。
- 実は事務担当は表の顔で、その正体はウォーターヌースの悪事を暴くために物語の2年半前より派遣されたCDAの隊長だった。
- NG集では、本編で登場しないはずの場面に突然登場し、出演者を驚かすなど普段の態度から想像できないほどイタズラ好きでお茶目な一面を見せた。
- イエティ (Yeti)
- ヒマラヤで暮らす気の良い雪男。一人称は「俺」。過去に何らかの理由でモンスターシティから追放されるが、今の暮らしを楽しんでいる。前日談のユニバーシティではモンスターズ・インクの郵便局員だった。雪玉でできたレモン味のスノー・アイスを作っている。巨体と強面に似合わず、明朗快活な性格で、本人は「恐怖の雪男」という異名を快く思っておらず、「愉快な雪男」もしくは「可愛い雪男」のほうが良いと思っている。彼の話では前までビッグフットと一緒だったらしい[注 4]。なお、マイクによるとネッシーも追放されたようである。雪山で遭難したサリーとマイクを助けて歓迎し、彼らを元いた場所に返すよう協力した。
- ランドール
- 本名:ランドール・ボッグス(Randall Boggs)。
- 本作のディズニー・ヴィランズ。外見は8本の手足を持つ紫色のトカゲのようなモンスター。陰湿かつ狡猾な性格。一人称は「俺」。カメレオンのように体色を周囲の風景と同化させ、まるでその場から消え去ったかのように見せる能力を持つ[注 5]。温厚で誰にでも社交的なサリーとは異なり性格の起伏が激しく、あまり社交的ではない。社内ではサリーに次ぐ第2位の怖がらせ屋だが、それ故1位のサリーを目の上のたんこぶのように思っており、常にライバル視している。一方でユニバーシティの大学時代にルームメイトであったマイクに対してはサリーほど嫌っていないようで、ふざけて脅かしたり、マイクの出任せを何の疑いもなく信じている。しかしブーの居場所を吐き出させる時には、悲鳴吸引機を容赦無く彼に向けた。
- 怖がらせ屋としての実力は高いが業績を上げるためなら手段を選ばないという冷徹な一面を持ち、社長のウォーターヌースに陰謀の協力を任されているものの「お前はサリバンの足元にも及ばない」と目の前で言われるなど信頼されていない。終盤にはサリーとマイクによりドアの向こうへ放り込まれて人間の世界に追放され、人間の家族にワニと間違われ退治された。ちなみに、彼が送り込まれた家は『バグズ・ライフ』に登場したものであり、家の軒下にて昆虫たちが集まっていた。
- 家の隣にある車はトイ・ストーリーに初登場したピザ・プラネットの車が置かれている。
- 前日談にあたる『モンスターズ・ユニバーシティ』では性格が異なり、今のサリーのような温厚な性格であったが後に現在の性格になる経緯が描かれている。
- ファンガス
- 本名:ジェフ・ファンガス(Jeff Fungus)。
- 赤い体と三つ目に眼鏡をかけたランドールのアシスタント。本作のランドールと同じくディズニー・ヴィランズではあるが、命令されてやっているだけでランドールやウォーターヌースと違って悪人ではない。悪気はないものの気弱な性格で、ランドールの命令には従順である。また、機械に詳しい一面を持っており、ランドールが担当しているドアの周辺機器の不具合を指摘したり、悲鳴吸引機の操作や調整を行っていた。悲鳴吸引機をマイクに向けようとしたが、スキを付いて助けにきたサリーにより、マイクは開放され、彼が吸い取り機の犠牲となっていた[注 6]。事件解決後は爆笑フロアで子供達を笑わせるために日々腕を磨いており、ランドールがいなくなったこともあって今の仕事を楽しんでいる。
- ウォーターヌース
- 本名:ヘンリー・J・ウォーターヌース三世(Henry J. Waternoose III)。
- 上半身はスーツを着た人間形だが、目が5個あり、下半身はカニのような多足型モンスター。一人称は「私」。現モンスターズインク社長で、彼の祖父が起業した会社を受け継いだ3代目。サリーに怖がらせ屋として手ほどきをしたのも彼である。サリーに期待と信頼を寄せる一方、業績不振でモンスター・シティがエネルギー危機に迫られていることや、後身の育成に悩んでいる。
- 表向きは信頼と安全をモットーにしているが、実は本作のディズニー・ヴィランズで全ての事件の黒幕。ランドールとその助手のファンガスを雇い、悲鳴吸引機を開発させ地下室で誘拐した子供から強引に悲鳴エネルギーを吸い取ろうとした。後に自身の邪魔をしたサリーとマイクをネパールのヒマラヤ山脈の吹雪の中に追放するも、自力で帰還した二人の策略によって、シミュレーションルームにて「会社を救うためなら、千人だって誘拐してやる」と発言してしまう。結果、利益最優先で徳のない本性をCDAに暴露することとなり、社長の権限を剥奪されると同時に逮捕された。連行の際、悪足掻きとして今まで信頼したサリーを手の平を返すように散々罵倒するという社長らしからぬ情けない姿を晒していた。
- CDA(Child Detection Agency)
- 子供検疫局の隊員たち。合図番号は「2319」。全員が黄色の防護服を着ている[注 7]。人間の子供を敵だと考え、怖がらせ屋が誤って持ち出した靴下などを処分し、消毒するのが彼らの仕事である。一時期はサリーらを捕まえようとするが、事件の真犯人がウォーターヌースだと知ると彼らに協力するようになり、また物語の中盤ではサリーの大ファンの一人は彼にサインをもらっている。NG集では、開いていない窓にぶつかりドジを踏むなどのお茶目な場面も見られ、劇場の案内役もしていた。ウォーターヌース逮捕後、ブーのドアをドア・シュレッダーで処分したがマイクによって修復された。
- スミッティとニードルマン (Smitty and Needleman)
- 会社の掃除係。また、ゴミをダスト・シュートに捨てる係や不用品のドアを始末する係も彼らの仕事である。背の高く角が生えてるほうがニードルマンで、背が低く歯を矯正しているほうがスミッティ。一人称は二人とも「俺」。サリーとマイクの大ファンで、彼らを尊敬している。
- 漫才コンビのような会話をよく繰り広げている(主にスミッティがボケ担当、ニードルマンがツッコミ担当)。NGシーン集ではサリーの名前の「サリバンさん」を「ソロモンさん」と言い間違えて漫才のようなやり取りをしたり、作動させたドアシュレッダーが暴走して惨事を起こしており、劇場ではニードルマンがランドール役、スミッティはファンガス役をやっていた。


このドアが、どこでもドア。こども部屋のクローゼットのドアが向こうから見るとこう、ということにワクワクする。
世界中の子供部屋のドアがカードのように掛かって仕分けされている様が圧巻ファンタジー。
このドアの仕分け作業が、電車っぽく、時にジェットコースターっぽい。
モンスターの国では、こどもやこどもにまつわるもの、人間が怖い。
価値観が逆転する。
最初モンスターズインクでは、こどもたちの怖がって叫ぶ声を集めてエネルギーにして売っていたが、
ブーの事件後サリーが新社長になると、こどもたちの笑いを集めてエネルギーにして売ることになる。
誰かの負荷の上に出来るエネルギーは、ファンタジーの世界でも時代遅れということだろう。
- ★サリー (Sulley)
- 本作の主人公。本名:ジェームズ・フィル・サリバン (James Phil. Sullivan)。
- モンスターズ・インク社内一の怖がらせ屋で、悲鳴エネルギー獲得量は常にトップ。身長240センチの巨体に2本の角、紫斑点のある水色と青緑の毛むくじゃらの姿が特徴。外見は恐ろしげだが、性格は温厚かつ謙虚で社員やモンスター・シティ市民からも慕われている。毎日の筋トレを欠かさない努力家で、その吠え声は今やウォーターヌース社長すらも驚かせるほど。基本的には堂々とした冷静な人物だが、当初はブーを見て怖がるなど臆病な部分もあり、『モンスターズ・ユニバーシティ』でもマイクにそれを打ち明ける場面がある。一人称は「俺」。自分達の世界に入り込んだ少女を当初はただ怖がるだけであったが、過ごしていくうちに情が移って彼女を「ブー」と名付け、今まで誰も犯したことのなかった「人間の子供を愛してはいけない」という掟を破ってしまう。そして彼女を元の世界に戻すため、徐々にマイクをも引きずり込んでの大騒動に発展する。物語の中盤ではウォーターヌースの命令で誤ってブーの目の前で吠えたことでブーを怖がらせてしまい、自分自身に罪悪感を覚える。さらにウォーターヌースによってマイクと共にヒマラヤに追放されるが、過去に同じくして追放されていたイエティの協力で帰還し、ウォーターヌースとランドールに捕らえられていた彼女を救出、和解した。
- 事件解決後はウォーターヌースがCDA(Child Detection Agency、子供検疫局)に逮捕されたことを機に4代目の社長に就任。ブーとの冒険とマイクとの会話で笑い声が悲鳴の10倍ほどのエネルギーを持つことを突き止め、子供を笑わせてエネルギーを供給するシステムによってモンスターズ・インクを再始動、業績を回復させた。そしてラストではマイクが修復したドアを通り、ブーと再会した。後日談である『キングダム ハーツIII』などで現在も交流を深めている。★
- ブー▼がサリーをkittyと呼んでいるのがとてもリアリティーがある。
- ★ブー (Boo)
- 本名:メアリー・ギブス (Mary Gibbs)。
- ひょんなことからモンスターの世界へ入り込んでしまった女の子。クローゼットのドアは白地に花柄があしらわれた物。
- 幼い故、好奇心旺盛で目を離すとすぐにいなくなってしまう。まだ言葉を上手く話せないが、サリーを「にゃんにゃん(Kitty)」と呼んで懐き、マイクのフルネームも覚えてしまう。初対面のサリーを恐れず、社内保育の保母や児童たちともすぐに打ち解けるなど物怖じしない性格。一方、自身の部屋を担当する「怖がらせ屋」であったランドール▼の
- ことを最初は恐れていたが、サリーがランドールに追い詰められ絶体絶命になった際には、勇敢にもランドールに突如掴み掛かったまま彼をおもちゃのバットで複数回殴り、サリーを守った。サリー達に連れられて再び会社へ向かう際には、サリーが徹夜で作成した椅子の生地で造った胴体、モップの髪、電球の目玉のモンスターの着ぐるみを着用している[注 2]。
- ウォーターヌースらの陰謀により危険な目に遭うがサリーに助けられ、サリーとマイクの協力により無事に人間の世界へと戻っていった。2人と別れた後、ブーのドアはドア・シュレッダーによって処分されてしまったが、マイクの手によって修復され、サリーが持っていたドアの破片をはめたことにより再会を果たし、現在も交流を深めている。『キングダム ハーツIII』では日本語版も海外版も映画で使われたボイスを流用している。
- モデルはスタッフのロブ・ギブスの娘で当時2歳のメアリー・ギブス。ブーのお部屋には『ファインディング・ニモ』のニモ人形や、『トイ・ストーリー2』のジェシーの人形がある。★
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- まず、毛があるものはみんな猫ちゃんなのだろう。まず、犬も熊もぬいぐるみもふかふか絨毯も猫ちゃんで、そこからイメージの分化・枝分かれがあり、猫ちゃんの中の犬ちゃん、猫ちゃんの中の絨毯ちゃん、と新たな名付け、名付け直しが行われるのだろう。
- 女の子が生まれて突如性格が変わったお父さん、にも見える。
- サリーの変化に付いていけない、相棒のマイク。
- 自分との付き合いよりブーのことに重きを置くサリーに不信感を抱くも、結局、ブーが愛しい、サリーが大切なものは自分にとっても大切、となる。マイクも、ブーの襲来(笑)により一段人生のステップを上がった人。
- ★マイク (Mike)
- 本作のもう一人の主人公。本名:マイク・ワゾウスキ(英語版)(Michael Wazowski)。
- サリーの親友であり、仕事のアシスタントでもある。一つ目に黄緑のボールから手足が生えたような体つきが特徴。サリーと同じく、一人称は「俺」。お調子者で頭の回転が速くよく喋るが、短気でそそっかしい性格。社内の受付嬢セリアと熱愛中。同居しているサリーには仕事中のサポート以外にも毎朝怖がらせのトレーニングをコーチしており、敏腕アシスタントぶりも発揮している。しかし書類の整理ができないため、事務担当のロズが大の苦手で、よく心にもないお世辞を言って機嫌を取ろうとするが毎回見抜かれている。小柄であることが災いして、最前列でサリーとモンスターズ・インクのCMに出演していたものの会社のマークで隠れてしまったり、サリーと雑誌の表紙を飾った際もバーコードに隠れてしまったりするなど不憫な役回りを担うことがしばしばあるが、本人は写っているので気にしていない様子。
- サリーに協力してもらい、セリアの為に最高のデートを企画するが、モンスター界にやってきたブーの出現によりおじゃんになってしまう。自分との友情よりも現実主義ゆえに騒動を引き起こしたサリーに八つ当たりするが、サリーやブーのことを放っておけず最後まで協力した。事件解決後、モンスターズ・インクがサリーにより再運営された後は「笑わせ屋」として働いており、子供を笑わせるための鉄板ジョークとして、自分が子供の頃は幼稚園があまりにも楽しすぎて留年したこと、スポーツはドッジボールが得意で負けたことがない(ボール役だったから)ことを語っていた(ただし子供の反応はいまいちだった)。他にも飲み込んだ物を巨大なゲップと共に吐き出すという離れ業も見せる(こちらは大笑いを誘った)等、前日談である『モンスターズ・ユニバーシティ』での夢であったアシスタントとしてではなく社員として働く夢を叶えた。『キングダム ハーツIII』によると現在社員ではトップらしい。
- EDのNG集ではその場を誤魔化すために出任せに言った『とにかくそれを送り返そう、さもないと』を本当に劇場化し、内容も自分を主役にして多少美化している。ラストには彼と瓜二つのママが登場した。また、『ファインディング・ニモ』のエンドロールにカメオ出演しており、海中をシュノーケリング姿で泳いでいる。★
- ブーはほとんど言葉を発しないが、それだけに全身全霊で感受し、全身全霊で伝えようとする。
- そこが愛しい。サリーが仕事でこどもを脅している姿を見て怖がったブー。その己の恫喝録画を見て反省するサリーは正に親。親の大人の本性・本音を見せてしまったことを後悔して、ブーの恐怖を必死で取り除こうするサリーは、激しい恋愛中でもあると言える。人生のギアチャンジを余儀なくされた人の状況。心の成長期に必要な通過儀礼のバンジージャンプをしている人の必死さ。
- これを終えると人は落ち着きという愛を内包することになる。常に思い人がいる穏やかな心理状態。
- この肉部分が木彫りの人形っぽい質感が、逆にリアル。人形っぽいから声優が生声を入れ易いのだろうか。
- モンスターものやオバケものというのは、キャラクターがいかに不気味可愛いか、がまず肝なのだろう。ここは価値観の大逆転が必須で、それがむしろ可愛い、にならねばならぬ。そのヌルヌルがむしろ愛しい、とか。納豆のように、腐ったかに見えて実は美味しくなっていた、という、常識の手の平返しが必須。
- 監督はピート・ドクター
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主な作品 『モンスターズ・インク』
『カールじいさんの空飛ぶ家』
『インサイドヘッド』
『ソウルフル・ワールド』
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