医療従事者とのコミュニケーションは多くの患者さんにとって課題です。私たちのインタビューでは、患者さんは医師とのコミュニケーションに遠慮がちで、必要な情報を十分に得られていないと感じている姿がいくつも散見されました。
私自身の経験からも、医師にはっきりと意見を伝えた際に、コミュニケーションが改善されたことがあります。例えば、私の顔を見ようとしない若い歯科医師に対し、面と向かって明確に説明するよう求めたところ、その後の対応が良くなりました。また、繰り返し同じ差し歯が取れた際には、その対応にはっきりと不満を伝えたことで、より丁寧な治療を受けることができました。
これらの体験からも、医療従事者と患者さんの間のコミュニケーションは、何よりも<患者さんの納得>に軸足を置くべきものだと思います。では、その納得を得るために、患者さんはどうしたら良いのでしょうか?
まず、患者さん自身が「訊きたいことを予めメモしておく」ことをオススメします。いざドクターを前にすると、自分が訊きたいことを聞き出すタイミングが見つからなかったり、うっかり忘れてしまうことがあるからです。そしてもう一つ、医療従事者も医療というサービス業の一員であり、顧客である患者さんに対して適切なサービスを提供する責任があるのだと患者さん自身が「意識を変える」ことも効果があります。
患者さんが積極的に意見を述べることを歓迎しないドクターは稀と言ってもいいと思いますし、両者の活発なコミュニケーションはより良い関係を築き、結果として治療の納得感につながるのは間違いありません。それが「意識を変える」ことをオススメする理由です。
体温を超える猛暑が続いています。くれぐれもご自愛くださいませ。
文章・プロクター志津子