こんにちは。
先日、かつて不動産デベロッパーの大手企業に勤務されていたママさんから、面白いとおすすめいただき、
ネットフリックスでドラマの『地面師たち』を見ました。
「地面師」とは、「他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」で、
こちらのドラマは実際にあった事件をもとに作られています。
その事件というのは、
2017年4月、
地面師たちが五反田の土地建物の所有者=売主になりすまして、
積〇ハウス=買主から50億円以上の金をだまし取った、
という事件です。
ドラマ、面白かったです。
ですが、このような事件が実際にあった、
というもとの事実の方に興味をひかれました。
なぜなら、一方当事者は超大手デヴェロッパー、物件は五反田駅至近の50億円以上の土地建物です。
いくら地面師たちが凄腕の詐欺集団だとしても、
買主会社の従業員は不動産取引の専門家ですし、
しっかりした法務部、弁護士、司法書士がついているだろうし、
なんで?、どのように?と。
そこで、地面師たちの実際の事件を追ったノンフィクションを二冊読んでみました。
驚いたのは、ドラマの題材になった五反田の事件だけじゃなく、
東京だけでもこの数十年に何件も同様の詐欺事件があること。
渋谷区富ヶ谷の6億円以上の土地建物の代金を、地面師が売主になりすまして買主から詐取した事件では、
所有者=売主が台湾在住の台湾人の老人でした。
地面師たちは、全くの別人をなりすまし役としてこの台湾人に仕立て上げ取引を進めます。
そして・・・、本人確認の際、パスポート記載の生まれ年と印鑑証明記載の生まれ年が違っているのを
(たしか一方が「大正13年」、一方が「大正15年」)
買主側の司法書士が気付いて指摘しています。
もちろん、これらのパスポートおよび印鑑証明書はいずれも地面師による偽造です。
それなのに・・・、
買主は、「役所の錯誤による誤記だろう」と片付けてしまったのです。
驚きますが、実際に起こったことなのですね。
先の五反田の50億円以上の被害額の事件についても、
売主の老女(取引の最中に何も知らずに施設で亡くなったそうです)になりすました女性が生まれも育ちも五反田のはずなのに、
自分の故郷の桜はきれいだ、などと口走ったり、
〇水ハウスに何度も「騙されている」と通知する文書が内容証明郵便で届いたり、
気付くチャンスはあったのに、
それらの通知はライバル会社からの怪文書として片付けられてしまい、
売買契約は成立、代金を振り込みで支払ってしまった。
50億円以上は振り込まれた瞬間に別の複数の口座に振り分けられて、後を追うのは困難になってしまった。
読後、感じたのは
きっと、人間は、目の前の事象を見たいようにしか見ないのではないか、
いや、見たいように見ることしかできないのではないか、
ということです。
それが、何らかの欲望にもとづくとして、たとえば、金欲しさ、出世欲、名誉欲、自己承認欲求など、
いろいろあると思うのですが、
そしてその人間の弱さを腹落ちして、
そこをどのように突っついたらいいのかをとことんわかっているのが、
地面師たちなのではないでしょうか。
この2冊のノンフィクションは読みごたえがありました。
ノンフィクションなんだけど、バルザック、スタンダール、ゾラなどのフランスの小説を読んでいるような
ドキドキ感、ヒリヒリ感がありました。
この次は、ちょっと癒し系の読書がしたいです、笑


