公演最終日へ行ってきました。
リッカルド・ムーティ指揮
東京春祭オーケストラ演奏
モーツァルト作曲『ドン・ジョバンニ』全二幕
オーケストラの演奏は、最も楽しみにしていた序曲と第二幕のフィナーレ、迫力がありました。ドン・ジョバンニ、騎士長の石像、どちらの歌手も声量があり深い低音を響かせていました。
女性の歌手のみなさんも、(この人スゴイ!というような衝撃はなかっですが)、よかったです。
私とは別に初日に観た娘は、ドンナ・アンナ役のソプラノ歌手のかたの澄んだ高音が好きと言っていました。
その他印象に残った点としては、
主にキアラ・ムーティの演出について、です。
・第一幕の『カタログの歌』
これは、ドン・ジョバンニがかつて関係した女性をノートに記録してカタログにしているという歌(国別に何人、たとえば、スペインでは1003人いる、とか)なのですが、
今回は、歌に合わせて、多くの老若様々な個性の女性が現れて、歌が終わった後、薄い幕がおりてそれらの女性たちが幕の向こうで嗚咽して泣いていました。
この曲は面白おかしく喜劇的に歌われることが多いかなと思うのですが、
このような演出からは現代のフェミニズム的なメッセージが感じられ、わたしは良かったと思います。
・舞台の傾斜と地下からの登場
舞台が滑り台のように斜めになっている足場を行ったり来たりしながら(立ってるだけでもすごい)歌う歌手のみなさんはすごい、アスリートです。
その斜めになっている床下から人物が出たり入ったりする演出、昨年の上野文化会館でのウィーンフィル『フィガロの結婚』でもあった。最近の流行りなのだろうか。
・冒頭、天井から衣装が吊り下げられて降りてきて、下着姿の歌手たちがそれを身に付ける。
最後は歌手たちが衣装を脱いで再び下着姿になり、脱いだ衣装が天井に吊り上げられて消える。
この演出は、最初、身分制への批判かな?と思って見ていました。劇の途中、貴族で主人のドン・ジョバンニと平民で従者のレポレッロが服を取り替えて周囲を欺きますが、服を脱いだら人間皆おなじじゃないか、というような。
でも、最後、その下着姿の歌手たちがマリオネットのような動きで六重唱で歌っていて、どういうことなんだろう?ドン・ジョバンニ以外の登場人物はみな操り人形に過ぎないということか。難解だった。
お読みいただきありがとうございました。
事前に車田先生のこちらのYouTubeで予習しました。車田先生の解説はとてもわかりやすく、いつも勉強させていただいています。


