ダンロップ杯第2戦のコース。



赤矢印の区間が異様な長さの直線部分が有り(筑波サーキットジムカーナ場の奥行のほぼ端から端)、自分の若干スプロケをショートに振っているMT-07でもさすがにオーバーレブ(エンジンの許容回転以上の回転)するんじゃないかとまず目に付いた区間でした。


  ジムカーナにおけるシフトアップの必要性


250cc以下のマシンでは、ギアチェンジは通常のコースでも割と必須で、ミニクラスになると3速4速まで駆使する方もいらっしゃいますが、大型バイククラスはほとんど1速固定で、筆者もMT-07でジムカーナを始めて色々な練習会にも参加させてもらいましたが、今までの練習会でも2速以上に上げた事もなく、そして当然シフトアップ及びシフトダウンも練習会では実践したことがありません。その必要性が無かったからです。


その時にふと指導員の全国大会の時の事を思い出しました。



教習指導員の全国大会にも『コーススラローム』という競技があり、筆者が大型二輪部門に出場した際の競技車両がNC750L。


大型バイクなのにスペックはこんな感じ



最高出力37PS/5,500rpm、最大トルク5.8kgf.m/3,500rpm、、、


CB400SFより非力笑い泣き


ただ、実用回転ではトルクが低回転で発生して数値も高いのでパワーがある感覚になりますが、競技的な使い方をすると『回らない』『つまらない』エンジン特性なのです。


ちなみにレッドゾーンは6,500rpmから。


大会における『コーススラローム』はいわゆるスピード競技でトップ選手は基本的に1番力の強い1速の使用で皆大会に挑んでました。


筆者の出場した第15回大会で、それまでの大会で設定されていたコーススラロームよりも直線部分が長く、Rの緩やかなコーナーが組み合わされたコースが設定され、競技車両のNC750Lでは明らかに回転数がオーバーレブするのは明確でした。


しかし、それまでのコーススラロームに向けた訓練の中でシフトアップなど練習したこともなく、また指導員の大会では競技の走行が『1発勝負』となりまた事細かな減点細目もあるため、本番1発勝負での新たな試みを試すことが出来ずに、その大会でのコーススラロームはかなりの長時間(実際の走行においては数秒だとは思いますが)1速でのオーバーレブ走行をする事となりました。


結果的にはその年のコーススラローム部門では2位とは5秒近くの差で優勝出来ましたが、オーバーレブ状態での走行が正解だったのかは走行後を心残りではありました。


そして、翌年の第16回大会においてはレギュレーションの変更があり新たに『過度なオーバーレブ走行』が減点対象となり、また新たにコーススラローム上に『ギアチェンジ区間(指定場所で強制的にシフトアップ&シフトダウンを行わなければならない)』なるものが制定されました。


つまり、コーススラロームにおいてギアチェンジは必要項目となったのです。


それからは、当然シフトアップ&シフトダウンの練習も行い、いかにスムーズなシフト操作が出来るかも当然練習をしました。


結果、NC750Lの有効回転数である最大トルクを発生する3,500rpmから最大出力を発生する5,500rpmまでをきっちり使いスムーズな走行にも繋がったのです。


話を戻すと、今回のダンロップ杯第2戦のコースでもこの直線ではシフトアップが必要であろうと感じましたし、前走者の走りを見ててもやはりオーバーレブする方が続出しておりました。


MT-07はエンジン特性は



レッドゾーンは10,000rpm。


最大トルクの発生する6,500rpmから最高出力の発生する8,750rpmを有効に使えばマシンを前に進める力が最大限に発揮されるわけで、やはりオーバーレブが続く走行はタイムロスに繋がるであろうと考えたのです。


しかしぶっつけ本番では少々不安もあるので、走行前のウォームアップコースを使ってシフトアップ&ダウンの練習をして第1HEATからシフトアップを挑みる事にしました。


  オフセットスラロームの落とし穴



スタート直後のオフセットスラローム区間。


今まで指導員大会に向けた練習でも沢山練習してきて、多少なり自信のあるポイントであったので最初のコースウォークでもリズムだけ意識して、あとはそれ以外の気になるポイントを重点的にコースウォークでイメージしてました。


赤、青、赤、青、順当にオフセットをこなしオフセットの最後に270°の回転から直線へと繋がるコースでしたが、最後の回転の地点の目測を誤り痛恨のコースミスガーン



記録ナシ、、、


ちなみに職場仲間もほぼ同じ地点でコースミス⇒記録ナシ笑い泣き


C2クラスで第1HEAT、最下位ワンツーを飾ってしまいました。


頭の中で、きっとシフトアップやシフトダウンの事ばかり考えていた結果であろうな、、、


コースミスは旗が上がったのも確認していたので、あとは残りのコースを思い切り走り、第2HEATと繋げられる走りをしようと切り替えて、シフト操作やその他の気になる部分を自分なりに色々試して走行を終えました。


生タイムで1分41秒。


第1HEATで見ていた限りC2クラスの速い方のタイムが1分38秒台あたりだったので、コースミスで余分な旋回をしていた割には悪くないタイムでしたので、第2HEATでの巻き返しを図るべくお昼休み返上でコースウォークに時間に割く事にしました。


つづく、、、