ナガウニ ②

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さては、 まずはわからないなりにクリーニングして行きました。

なので、この時点で書いている事を「正解」だと勘違いしないで下さいね。

「かなぁ?」 と言うつぶやきぐらいに流して、一緒に検証している感じで見学して下さい。

 

雰囲気で大体分類するとこんな感じかな?

と第一弾分(3回に分けてクリーニングしたうちの)を解凍した中から4種(?)にすると

こんな感じ? (薄暗い所で撮影したので実際の色と少し違って見えます)

右上、コレは何度か見た事があるので、ツマジロナガウニ。

そのまま、棘の先が白っぽいもの。

そして、前回の文献中で、「緑のウニを見てリュウキュウだ・・・」との事で
左下のがリュウキュウナガウニ。(後日談、「正解」 ※ただし「ホン」にも緑の個体が居る)

ヒメクロは黒いと言うので、右下が黒っぽいのでヒメクロナガウニ?(微妙)

て事は、左上がホンナガウニかなぁ?(後日談、「正解」)

 

とりあえずは、海岸に死着した。と言う体(てい)で棘を取る程度に漂白。

(なぜなら、自然下に近い状態で生殖板の脱落無くソコと 殻全体とを見たかったから)

その時点でコイツの裸殻はコレかな?と合わせたのが前回最後に載せた画像。

(※ コレも今正解を言うと上段の棘付き本体が逆)

 

で 新鮮な生殖版(裸殻標本としては汚い)を観察すると こんな感じ。

 

ホンナガウニ と思われる物。

星型の頂上系の生殖板のうち一番大きなもので「多孔板」と呼ばれるらしい。

ここに付いている小疣(白っぽい極小棘が付いていた土台)が多い。

実はまれに小疣が少ない個体も居るんだけど 平均して6~14個じゃないか と。

(肛門近くの周りに付いている小棘の疣は数に入れていません。

コレだと4つ下に並んでいますよね。ソレを引いても12個ほど確認出来ます)

感想としては、キレイな紫ですね。

 

次、

たぶん間違いないツマジロナガウニ。

実は、ツマジロには、ウニハンドブックには小疣数は「5以下」と書かれていますが、

ほとんど ありません。

 

次は、ヒメ「クロ」と呼ばれているのだから黒っぽいウニなんだろう。と棘を取ったもの。

んんー。キレイに横並び小疣4つ・・・。

(※後日談 微妙。(^_^;) 「ホン」の褐色の濃いものをクロと誤認したかも。)

 

そして、緑の個体のリュウキュウナガウニと思われる物。

うーん、コレもウニハンドブックでも 小棘はホン以外5個以下と書かれているのに

6個見えるので、ホンナガウニだったのかな~?(※後日談 たぶん微妙。)

 

と言う事で、棘の色で分けるのは、ツマジロ以外 達人じゃないと難しいのかも。

ただし、棘に関しては、諸説見分けるコツもある様で、次回にまとめて行こうと思います。

ぼんやりと眺めていると

緑の矢印のと たぶんピンクの矢印辺り・・ はリュウキュウかなぁ?

と言う気が。他にも棘の迷う個体も居るけど。

棘の一番下が白い輪になっているのですがソレが目立つ。と言うので。

棘色のグラデーションもあまり無いのが「リュウキュウ」な気がする。

その他グラデーションで下に行くほど薄くなったりするのは「ホン」なのかなぁ??

緑矢印のは良くわかりますよね。

棘のグラデーション無く、棘全体がその色で、

本体とジョイントしている疣自体はどのナガウニも白っぽいんだけど、

棘の底辺の周辺まで色が残っているので根元の白さもカッチリと目立っています。

こうして見るとリュウキュウらしきものは殻の体も黒っぽく、ホンは緑っぽくも見えますが

一度冷凍した品で、生 の生体ではないので粘膜系の色は変色が考えられるのでアテには出来ません。

 

もう1つヒント。

こちらは黒っぽいやつ、と緑のやつ。と色で分けましたが、

両方とも下段の物は微妙に棘色がグラデーションして(下に行くほど?)薄くなっています。

 

この分け方(色味)で漂白すると こんな感じな結果になりました。

1回目のグループ

それぞれのグループの中で縦置きしているのが正解。

横置きしているのは別種。(斜めなのは小疣が少なく、不明な物)

又★印をつけているのは、簡易漂白後(一旦乾燥後、2度目の漂白をした物)

 

2回目のグループ

又少し見づらいですが、名前と矢印は連動していません。

ヒメクロじゃないかと漂白したうちの矢印(=横向きに置いた物)はホンナガウニでした。

同じく、リュウキュウだと思った物の下段もホンナガウニでした。

逆に ホンナガウニと思って漂白した物の右下はリュウキュウでした。

同じく斜めに置いたの(ピンクの矢印)は小疣の数が少なく、微妙な個体。

(2回目になるとだいぶ生態時での の分類精度が上がってきています?(笑))

 

又、1回目に検証漂白した物は 生殖板の脱落を防ぐ事と(ここがなくなると話にならないので)

「死着したて」 の体での新鮮度(?)の状態を見る為に 棘が取れた(むしった)状態で乾燥させた殻なので、

よく観察は出来るが 殻標本としては、汚い物になった。

2回目のセットを漂白した時は、鮮度はそれほど落とさず、殻標本としても見られる程度まで漂白を進めてみた。

更に 何度か波の押し引きで「死後数日経った裸殻」 を再現するのに

1回目の新鮮だけど汚い裸殻を再度漂白してみた。(上部にある画像と重複ネタ)

左が再漂白品。(日にち空けて2度目の漂白をしたもの)

右は2回目の実験の ほどほどキレイになるまで漂白した物。

(ちなみにナガウニの殻は丈夫なので わりと漂白には耐えられる。

 濃い目の漂白液に1日浸し、棘を落としてからもう1日やや濃いめの液に浸し、

 薄めの液に換えて浸し、 と3日かけている。

2回目の漂白実験では、汚れを取るのに1つ1つ 漂白液をつけたハブラシで擦ったりもしている。

※コレを他のウニ殻でやると瞬時に生殖板が脱落したり殻本体も分解する物もありますので注意。

ただし、新鮮な生だからであり、普通にビーチコーミングで拾った 何日経ったかわからない風化した殻にやるとナガウニでも割れたりするかもしれませんのでクリーニングはあくまで自己責任で。)

 

ここまでの2回の実験で、

①棘色や見た目で分ける。

②殻で(生殖板を見て)分ける。

③漂白(裸殻にする)実験(コツとか程度)。

の3つのテーマを確認しながらこなした。

 

次回最終実験へ つづく